斎藤元彦・兵庫県知事は何をしたのか?パワハラ疑惑から百条委員会、第三者委員会まで徹底まとめ

2025年11月6日

公益通報者保護法違反

告発が公益通報にあたるとした上で、通報者捜しを行ったことや、文書を作成した元局長の公用パソコンを回収したことは公益通報者保護法に違反すると第三者委員会が認定しました。

公職選挙法違反容疑

兵庫県内のPR会社に報酬を支払ったとして公職選挙法違反の疑い。機械的な作業ではないものに報酬を支払うことは、公職選挙法の「買収罪」となる。

地方公務員法(情報漏洩)容疑

元総務部長が3人の県議会議員に情報漏えいしたと認定したうえで、斎藤知事や元副知事の指示で漏えいが行われた可能性が高い。

はじめに:斎藤知事に何があったのか?

2024年から2025年にかけて、兵庫県知事・斎藤元彦氏(以下、斎藤知事)をめぐる問題が全国的に大きな注目を集めています。「パワハラ疑惑」「職員への不適切な対応」「百条委員会の設置」「複数の第三者委員会の設置」「複数の刑事告発」など、数々の報道がなされ、SNSやネットニュース、テレビ、新聞を中心に世論も二分される状況です。

この記事では、斎藤知事の行為や対応、問題点、批判、告発内容、調査結果などを「まとめ」として一覧形式で解説し、今後の県政や2025年知事選への影響、そして社会的な意味についても多角的に考察します。


斎藤知事とは?プロフィールと経歴の概要

斎藤元彦(さいとう・もとひこ)氏は、2021年に兵庫県知事選で初当選し、当時43歳という若さで全国最年少の知事として注目されました。

  • 元:総務省キャリア官僚
  • 生年:1977年
  • 出身:兵庫県神戸市須磨区
  • 学歴:東京大学経済学部卒
  • 政治を志したきっかけ:高校卒業後、三宮の予備校での1年間の浪人期間を経て東京大学へ入学。在学中は、あまり授業へ出なかったため、留年することとなった。加えて、不況の煽りを受け、家業が傾いたことで、一時は学費の捻出が困難な状況となったものの、育英会から奨学金を受け、これを乗り切った。斎藤によれば、この際初めてセーフティーネットの重要性に気づき、行政そして政治の道に進むことを考え始めたという

パワハラ問題とは?告発と疑惑の詳細

告発と公益通報

2024年3月、県民局長が、斎藤知事からのパワーハラスメント的行為があったと告発。内容は、会議中の叱責、個人の人格を否定する発言、非公式な文書提出の強要など多岐にわたります。

これに対して職員側は「公益通報者保護法に基づき、匿名で県議会や報道機関に情報提供した」とされています。


公開された文書と証言一覧

複数の内部文書やメール、録音データが流出し、一部はマスコミにも提供されました。内容には以下のようなものがあります:

  • 五百旗頭真先生ご逝去に至る経緯
  • 知事選挙に際しての違法行為(幹部による事前運動)
  • 選挙投票依頼行脚
  • 贈答品の山(知事のおねだり体質)
  • 政治資金パーティー関係
  • 優勝パレードの陰で(プロ野球阪神・オリックス優勝パレード関係)
  • パワーハラスメント

告発文書全文(ニュースサイト:HUNTER)


百条委員会とは?設置の背景と進行状況

百条委とは何か?

百条委員会とは、地方自治体の事務に関する調査を行うために、地方議会が設置する特別委員会です。地方自治法第100条に基づいて設置され、議会の議決によって調査の実施が決まります。強い調査権限を持ち、関係者の出頭や証言、記録の提出を求めることができます。兵庫県議会は、県政の透明性を保つため、2024年7月に百条委を設置しました。

証言と資料

委員会には多くの職員や幹部が出席し、机を叩いて怒鳴る行為や、「机をたたいて激怒」「幹部にチャットで夜間や休日など時間おかまいなしに指示」の証言も。また、公益通報者保護法の専門家からの助言も受けました。

待たせても怒らなかった「斎藤知事」 就任3年間で何が… 風呂場で語り合った「1コ下」の元担当記者がみた知事の素顔(2024年9月1日)

最新の取材によると、斎藤知事は、待たせると激怒するらしい。だが3年前は、そんな様子は見えなかった。

2021年11月、兵庫県は万博会場への輸送も見据え、神戸港の遊覧船を海上クルーズ船として活用できないか社会実験を行うことを決めた。夕方ニュースで船の前から生中継をしようと準備していると、「あれっ鈴木さん!こんなとこで何してんの?」と声が聞こえた。後に斎藤県政で総務部長となる秘書広報室長だった。

秘書広報室長「知事が今そこにいるから、出てもらう?」

その時、本番15分前。私は大阪本社に「知事の名前テロップだけ用意してくれ。後はこっちで何とかする」と急いで伝えた。
すぐにやって来た斎藤知事は、電話で打ち合わせする私を笑顔で待ち、リハーサルにも参加した。

斎藤知事「ようそんな、原稿もないのにペラペラしゃべれますねー」
筆者「まあこれが商売ですから…」

そんな会話をしながら、その頃の斎藤知事は、10分待たせても怒ることはなかった。

https://www.fnn.jp/articles/-/752043?display=full(出典:FNNプライムオンライン)

【斎藤知事就任挨拶全文】「生まれ変わる」「耳の痛い話も聞く」と知事 ネット上の職員批判に対しては「温かい目」求める 「口だけ言っても誰も信用しない」という職員も(2024年11月19日)

もう一度、兵庫県知事として仕事をさせていただきます。 どうか多くの県民の皆さんのために頑張っていきたいと思いますので、職員の皆さんもこれから一緒に仕事をさせていただきたいと思います。 私自身も、もっともっと丁寧に丁寧に、皆さんとのコミュニケーションや対話を尽くしていく。

これは本庁職員の皆さんだけじゃなくて、県民局、県民センターの皆さん、そして全ての職員の皆さん一緒です。教育委員会もそうですし、警察、そのほか行政委員会の皆さんもそうです。ぜひみんなで一つのチームとなってやっていきたい。

https://www.fnn.jp/articles/-/789427?display=full(出典:FNNプライムオンライン)

報告書

2025年3月4日に、百条委員会の調査報告書が公表されました。

報告書で注目されたのは、パワハラ疑惑の調査について。斎藤知事が公用車を降りて職員に叱責するなどした疑惑について、概ね事実としたうえで『パワハラ行為といっても過言ではない不適切なものだった』と評価しました。

また公益通報について。元局長が行った告発は『外部公益通報に当たる可能性が高い』と示し、告発者探しを行い、元局長を処分した一連の県の対応について、『公益通報者保護法に違反している可能性が高い』としました。

【百条委員会 奥谷謙一委員長】「元県民局長作成の文書については、事実無根でもないし、うそ八百でもなかったというのが我々の調査結果です。知事ならびに県当局は、文書問題の対応については一切問題がなかったという認識であると思いますが、今一度、その対応を振り返っていただいて、しかるべき対応をとっていただきたい」と発表しました。


文書問題第三者調査委員会

兵庫県文書問題第三者調査委員会が調査報告書を記者会見で公表。

その中で、10件のパワハラを認定した他、公益通報者保護法違反と認定し、文書を作成配布したことによる懲戒処分も不当としました。

知事は、元県民局長が作成した文書について、「本人も認めていますが、事実無根の内容が多々含まれている内容の文書を職務中に職場のPCを使って作成した可能性があると言うことです。ありもしないことを縷々述べた内容を作ったことを本人も認めています」と発言しました。しかし、元局長は事実無根の内容の文書を作ったと認めたことはございません。事情聴取も文書内容の調査もまだ十分なされていない段階で実際には元局長が認めていないのに事実で無いような文書を作成したことを本人が認めたと発言することは、極めて不適切であると考えます。


衆議院総務委員会でも斎藤知事の対応を問題視


情報漏洩の第三者委員会

兵庫県の元総務部長によって、元県民局長の公用PCにあった私的文書を県議などに漏洩した問題で第三者委員会が設置されました。

元県民局長の公用パソコン内に元県民局長の私的情報に係る大量の文書等があることが分かったなどと報告したところ、知事はE氏に対し「よし、そのような文書があることを議員に情報共有しといたら」と指示したと言う旨の供述をされました。

まず知事から指示があった時に同席していたとされるD氏は、令和7年3月4日に行われた事情聴取の際、昨年4月上旬頃、元県民局長の私的情報の件を含めて知事に報告した際、色々な案件がある中で、その私的情報があったことを含めて根回しと言うか、議会の執行部に知らせておいたら良いんじゃないか、と言う趣旨と理解出来る知事からの発言があった。私的情報の中身全部を持って行けとそんなことじゃ無くて私的情報があると言うことは情報共有しておいたらと言われたんだなと思ったと、E氏の新主張に沿う供述をして知事からの指示があったことを認めています。またその後知事からそのような指示があったことを副知事に報告した際には、副知事が「そらそうやな、必要やな」そう言う発言があったと思っているとも供述しています。

一方知事は、令和7年3月6日に行われた当委員会の聴取に於いて概要を次のように述べて、この事実を否定しておられます。具体的には、昨年4月に入ってから元県民局長のパソコン上に今回の問題となっている文書の作成以外に(省略しますが)などの情報があったと言う一連の報告はあったと思うが、それを聞いて、その処理に関して何らかの指示をしたことは無い。E氏にそう言った情報を議会の執行部に共有しておいた方が良いと言う発言をしたことも無い。ただ、例えばどこの自治体でもあるように予算とか大学無償化とかの政策に関することで議会との情報共有を指示することもあるが、今回はそう言ったことについて議会筋と情報を共有しておくようにと言うような指示をE氏にしたことも無い。E氏は総合調整の窓口である総務部長として独自の判断で議会側との情報共有。いわゆる根回しをしたものと思う。このように供述されています。

元副知事から再度事情聴取を行い知事からの指示の有無等に関して確認しました。そうしましたところ、元副知事は次のようにD氏及びE氏の供述に沿う供述をされました。すなわち自分は知事から直接の指示を受けたことは無い、しかし、昨年4月上中旬頃恐らくはD氏からだと思うが、知事からE氏に対し元県民局長の私的情報について議会と情報共有しておくようにと指示があったと聞いたので、特に反対もせずE氏に於いて根回しをするように指示した。ただし、根回しすべき具体的な会派や共有すべき私的情報の具体的内容については、何も指示しておらずE氏の判断に任せて、その後特段の報告も受けていないと言うものであります。

以上の通り、D氏及び元副知事の供述が時期及び内容においてE氏のこの点に関する新主張とほぼ一致していると言うことからすれば、これらの供述の信用性を否定することは出来ないと評価するのが相当である。

これと整合しない知事の前記供述は採用することが困難と言うべきであると言う結論に達しました。

と、情報漏洩の指示は知事からであったと認定しました。

斎藤知事の主張と対応:認めたのか?

記者会見での発言

斎藤知事は2025年2月の記者会見で以下のように述べています:

斎藤氏は「正式な報告書が出ていないのでコメントは控える」と語った上で、パワハラ疑惑について「口調が厳しい面はあったかもしれないが、業務上必要な範囲だった」と従来の説明を繰り返した。告発対応についても「適切だった」とした。いずれも最終的に「司法の場での判断が重要だ」との認識を示した。

このような発言に対し、マスコミ・報道機関や県民からは「自己弁護ではないか」「認めているようで認めていない」との声も多数。

その後2025年3月には、「知事就任後、県政改革やよりよい県政運営を追求していきたいという思いで、職員に対して、厳しいことばなどで注意や指導などを行ってきたが『パワハラに該当するという指摘』は私自身も真摯(しんし)に受け止めたいと考えている。不快な思いや負担に思われた職員に対しては、改めておわびと謝罪を申し上げたい」と述べました。(出典:NHK NEWS)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250326/k10014760651000.html

しかし、自身の処分については、職員のパワハラは懲戒処分で、斎藤元彦のパワハラはえりを襟を正せば、処分無しと発表しました。

公益通報者保護法の3号通報について、2025年5月に消費者庁から技術的助言が発せられても、「対応は適切だった」と見解を変えていません。

また、情報漏洩の第三者委員会の報告に対しても、斎藤氏は漏えいが認定された責任を取って自身の給与をカットする意向を示した一方で、「漏えいについては指示していないという認識だ」などとしている。


対策・処分・県の方針

県は2025年3月、再発防止に向けた方針として以下を発表:

  • 内部通報制度の強化
  • 職員メンタルケア体制の拡充
  • 知事を含む幹部職員へのハラスメント研修の義務化

また、知事自身への「不信任案」が県議会で提出される可能性も報道されていますが、まだ斎藤知事への一定数の支持があることや、有力候補の選定が進まないなど、県議会が一枚岩とは言えず、再度不信任案の提出については不透明な状況です。


県議会の不信任決議はあるのか

2024年11月の選挙で111万票を獲得して再選されていますが、果たして再度の不信任決議はあるのか、仮に不信任決議が可決しても、斎藤知事は議会の解散を選択するものと思われます。

再度選挙で当選した県議によってさらに不信任案決議となるのでしょうか?

  • 自民党内からの反発
  • 市民団体の候補者擁立の動き
  • 職員組織の一部が応援拒否

といった動きが報じられ、選挙結果は不透明です。

斎藤擁護派と反斎藤の深刻な対立

斎藤知事の違法行為や不正、さらにそれらに対する説明責任を全く果たさないことに反対する勢力と、告発文書自身が「怪文書」で公益通報には当たらないとして、斎藤知事を擁護する勢力がXなどで激しく対立しています。

この対立は、兵庫県民の分断にも繋がる問題で、今後県政が正常化されたとしても、その溝は長期間に渡って残るものと思われます。

兵庫県民は斎藤信者のおかげで他の都道府県民からバカにされている

兵庫県民のサジェストキーワード

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兵庫県民は斎藤信者のおかげで他の都道府県民からバカにされています

斎藤信者は兵庫県や日本の将来をどうしたいのか

もし斎藤知事の行為を容認・正当化する社会を目指すなら、自動車のリコール隠しの例で言えば、危険な車に乗り続けて命を落とす国民が増えることと同じ構造です。

つまり、斎藤知事の行為を正当化する人々は、結果的に「県民や国民が不利益を被っても構わない」と考えているのと同じことになります。

斎藤信者は、自分の行動によって、自分の子や孫が被害を受ける社会にしてしまっても「お父さんやお爺ちゃんは正しいことをした」と胸を張って言えるのだろうか?

Posted by sendmyheart