斎藤知事問題の時系列まとめ
目次
- 1 2024年3月12日頃告発文書を作成し10カ所に配布
- 2 2024年3月20日、斎藤知事は告発文書の存在を民間人からの情報提供により把握
- 3 2024年3月21日、斎藤知事が、片山元副知事や県幹部に対して「徹底的に調べろ」と指示
- 4 2024年3月25日、片山元副知事らは県民局に事前連絡しないまま訪れ、パソコンを押収
- 5 2024年3月27日、「嘘八百、公務員失格」と斎藤知事が記者会見で発言
- 6 2024年4月1日、県人事課から、藤原氏に処分についての助言を求める
- 7 2024年4月1日、元県民局長は、斎藤の記者会見に対する反論文を報道機関に送付
- 8 2024年4月4日、元県民局長は、実名で改めて、県庁内の公益通報窓口に内部告発文書を提出
- 9 2024年4月中旬、斎藤知事は、総務部長(当時)を通じて、県の人事当局に「(公益通報の)調査結果を待たずに処分できないか」と打診
- 10 2024年4月中旬、藤原弁護士が「法的には可能」との見解
- 11 2024年5月7日、斎藤知事や職員に対する誹謗中傷であり不正行為であると判断、元県民局長を停職3ヵ月の懲戒処分とした
- 12 2024年5月7日、県議会は、県の内部調査には疑念が残るとして、第三者委員会の設置による調査を全会派で県に要請
- 13 丸尾県議が県職員にアンケートを実施、斎藤知事は、一部事実関係を認め謝罪
- 14 県議会は6月中旬に、百条委員会の設置議案を賛成多数で可決
- 15 2024年7月7日夜、百条委員会で証言予定であった元県民局長が死亡しているのが発見された
- 16 2024年7月10日、兵庫県職員労働組合は、斎藤知事に辞職を求める申し入れを行った
- 17 2024年7月31日付で片山副知事が辞職
- 18 2024年8月7日、定例記者会見
- 19 2024年9月6日、百条委員会では無く第三者委員会で
- 20 2024年9月19日、県議会が斎藤知事への不信任決議案を共同提出し、全会一致で可決した
- 21 2024年9月30日、兵庫県知事を失職し、出直し選挙に立候補することを正式表明
- 22 当選目指さない「2馬力選挙」、兵庫県知事選挙で問題浮き彫り…活動量2倍で公平性揺らぐ
- 23 2024年10月10日、市民団体が斎藤前知事と片山前副知事を背任の疑いで兵庫県警に刑事告発
- 24 2024年11月18日、111万3911票を獲得して当選
- 25 2024年11月20日、株式会社merchuの代表取締役 折田楓氏がnoteに投稿
- 26 2024年12月2日、斎藤元彦知事とPR会社代表に告発状 「選挙運動で報酬」
- 27 2025年1月21日、阪神・オリ優勝パレードの経費巡る疑惑の告発状を受理 兵庫知事ら背任罪で、兵庫県警
- 28 2025年3月19日、文書問題第三者委員会が会見
- 29 2025年3月26日、告発者さがしは「適切」と正当化 斎藤知事がパワハラ「認定」については謝罪
- 30 2025年5月9日、兵庫・斎藤知事、公益通報巡る消費者庁の指摘は「一般的な法解釈のアドバイス」「重く受け止めたい」
- 31 2025年5月27日、秘密漏えい疑いに関する第三者委員会会見
- 32 2025年5月27日、兵庫県、前総務部長を停職3カ月の懲戒処分 故意の秘密漏えいあったと判断 告発文書問題
- 33 2025年6月10日、斎藤知事らを守秘義務違反容疑で刑事告発 「自己保身のために漏洩」
- 34 2025年6月13日、斎藤兵庫知事らを書類送検 県警、優勝パレード巡る告発で―地検が慎重に判断か
- 35 2025年6月20日、公選法違反の疑い、斎藤知事とPR会社社長の捜査結果を書類送付 兵庫県知事選巡り県警
- 36 2025年8月8日、斎藤兵庫知事を任意聴取 公選法違反容疑で―神戸地検
- 37 2025年9月17日、兵庫知事を追加告発 利害誘導容疑で―弁護士ら
- 38 2025年10月1日、定例記者会見。公益通報者保護法に照らしても適法適切
- 39 2025年10月8日、定例記者会見。初動から弁護士と相談しながら対応した
- 40 兵庫県内部告発文書問題:時系列と法的検証(2024年3月〜2025年10月)
- 41 総括:法的・倫理的評価
2024年3月12日頃告発文書を作成し10カ所に配布
2024年3月20日、斎藤知事は告発文書の存在を民間人からの情報提供により把握
2024年3月21日、斎藤知事が、片山元副知事や県幹部に対して「徹底的に調べろ」と指示
2024年3月25日、片山元副知事らは県民局に事前連絡しないまま訪れ、パソコンを押収
2024年3月27日、「嘘八百、公務員失格」と斎藤知事が記者会見で発言
2024年4月1日、県人事課から、藤原氏に処分についての助言を求める
証言したのは、県からの法律相談に乗る特別弁護士を務めている藤原正広氏(兵庫県弁護士会)。百条委での証言などによると、県人事課が4月1日から、藤原氏に処分についての助言を求めるようになった。
https://www.sankei.com/article/20240905-U2QGMIH6ZJJVHKCFN5DN233ARM(出典:産経新聞)
4月1日に藤原弁護士に処分についての助言を求めたと言うことは、3月20日に斎藤知事が民間人から文書を受け取ってからの、元副知事によるパソコン押収や27日の「嘘八百、公務員失格」発言などは、全く法的な検討無しで行われた疑いがあります。
2024年4月1日、元県民局長は、斎藤の記者会見に対する反論文を報道機関に送付
2024年4月4日、元県民局長は、実名で改めて、県庁内の公益通報窓口に内部告発文書を提出
2024年4月中旬、斎藤知事は、総務部長(当時)を通じて、県の人事当局に「(公益通報の)調査結果を待たずに処分できないか」と打診
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240824-OYT1T50175(出典:読売新聞)
2024年4月中旬、藤原弁護士が「法的には可能」との見解
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240905-OYT1T50077(出典:読売新聞)
2024年5月7日、斎藤知事や職員に対する誹謗中傷であり不正行為であると判断、元県民局長を停職3ヵ月の懲戒処分とした
2024年5月7日、県議会は、県の内部調査には疑念が残るとして、第三者委員会の設置による調査を全会派で県に要請
丸尾県議が県職員にアンケートを実施、斎藤知事は、一部事実関係を認め謝罪
県議会は6月中旬に、百条委員会の設置議案を賛成多数で可決
2024年7月7日夜、百条委員会で証言予定であった元県民局長が死亡しているのが発見された
2024年7月10日、兵庫県職員労働組合は、斎藤知事に辞職を求める申し入れを行った
2024年7月31日付で片山副知事が辞職
2024年8月7日、定例記者会見
5月7日に人事課や弁護士もおっしゃっていますが、本人から供述や証拠が出てこなかったと。そこはやはり真実相当性に足りるものがないと我々としては判断していますので、対応については適正だったと考えています。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/governor/g_kaiken20240807.html(出典:知事記者会見(2024年8月7日(水曜日)))
ここで言う弁護士は、藤原特別弁護士だと思われますが、「証拠が出てこなかった」と言っていることは問題で、公益通報者保護法では、守秘義務違反になる可能性があることから、証拠の添付は必須ではありません。
2024年9月6日、百条委員会では無く第三者委員会で
委員「実は同時期だが、議会関係者に知事からも『百条委員会を何とかやめてほしい』という動きが入っていたとの話を聞いていますが、そんなことはないですか」
斎藤氏「えっと、定かには記憶していないですけど、それはやっぱりわれわれとしては、内部調査を含めてしっかりやってきましたし、第三者委員会も設置しているということで、そこで(調査を)やらせていただきたいという思いで、いく人かの議員にもしかしたら電話して、『第三者委員会でやらせてもらえればいいな』というふうに言ったことはあると思います」
https://www.sankei.com/article/20240906-WH236F2N6JPCJFD6H5B6A3MVVM(出典:産経新聞)
斎藤知事は、百条委員会では無く第三者委員会で調査したいと証言しましたが、その第三者委員会の結果も「真摯に受け止める」と言いながら、何の説明責任も果たしていない。
2024年9月19日、県議会が斎藤知事への不信任決議案を共同提出し、全会一致で可決した
2024年9月30日、兵庫県知事を失職し、出直し選挙に立候補することを正式表明
当選目指さない「2馬力選挙」、兵庫県知事選挙で問題浮き彫り…活動量2倍で公平性揺らぐ
政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏は、「斎藤氏の合法的なサポートをする」と立候補。街頭では斎藤氏の演説が終わると同じ場所に姿を現し、残った聴衆に「『おねだり』やパワハラは全くなかった」「テレビによる洗脳だ」と繰り返し訴えた。
https://www.yomiuri.co.jp/election/20250429-OYT1T50177(出典:読売新聞)
2024年10月10日、市民団体が斎藤前知事と片山前副知事を背任の疑いで兵庫県警に刑事告発
プロ野球の優勝パレードへの協賛金の見返りに、金融機関の補助金を増額して兵庫県に損害を与えたとして、市民団体が10月9日、斎藤前知事と片山前副知事を背任の疑いで兵庫県警に刑事告発しました。
https://www.sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2024/10/09/81859/(出典:サンテレビ)
2024年11月18日、111万3911票を獲得して当選
二馬力選挙でばら撒か撒かれたデマで、SNSの情報を鵜呑みした世論が動いて斎藤知事が当選。
2024年11月20日、株式会社merchuの代表取締役 折田楓氏がnoteに投稿
斎藤知事の公職選挙法違反の疑いが浮上しました。
折田楓氏のnote 2024年11月20日 11:30:58の魚拓
2024年12月2日、斎藤元彦知事とPR会社代表に告発状 「選挙運動で報酬」
兵庫県の斎藤元彦知事が再選した知事選を巡り、県内のPR会社にSNSなどによる広報を依頼し報酬を支払ったのは公職選挙法違反(買収、被買収)の疑いがあるとして、弁護士と大学教授が2日、斎藤氏と同社代表に対する告発状を神戸地検と兵庫県警に送付したと明らかにした。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF012R70R01C24A2000000(出典:日本経済新聞)
2025年1月21日、阪神・オリ優勝パレードの経費巡る疑惑の告発状を受理 兵庫知事ら背任罪で、兵庫県警
令和5年11月に実施されたプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードの経費を巡る不正疑惑で、兵庫県警は21日、同県尼崎市の市民団体などが提出した斎藤元彦知事と片山安孝元副知事に対する背任罪の告発状を受理した。
https://www.sankei.com/article/20250121-XJH7MDKEXRJM5HRLAEV4JUF5XY(出典:産経新聞)
2025年3月19日、文書問題第三者委員会が会見
保護法11条と指針は、通報者を公益通報に該当する事実であれば通報者を探索してはならないと定めています。しかし本件では、3月21日のメールチェックに始まり25日の県民局に臨んでの局長への尋問など、通報者探索行為が行われました。これは違法な行為です。
公用パソコンの引き上げが行われました。これは違法な通報者探索の結果として行われたものですから、我々はこれを違法だと考えます。
2025年3月26日、告発者さがしは「適切」と正当化 斎藤知事がパワハラ「認定」については謝罪
兵庫県の斎藤元彦知事は26日、自身のパワハラ疑惑などの内部告発に関する県の対応の違法性を指摘した第三者委員会の調査報告書について、県庁で開いた記者会見で「対応は適切だった」と述べ、従来の見解を変えなかった。第三者委が認定した10件のパワハラについては初めて認め、謝罪した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250326-OYT1T50190(出典:読売新聞)
2025年5月9日、兵庫・斎藤知事、公益通報巡る消費者庁の指摘は「一般的な法解釈のアドバイス」「重く受け止めたい」
公益通報者保護法を巡る兵庫県の斎藤知事の発言に消費者庁が「公式見解とは異なる」と県に指摘したことについて、斎藤知事は8日の定例記者会見で「一般的な法解釈のアドバイスをいただいたということで、重く受け止めたい」と語った。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250509-OYT1T50038(出典:読売新聞)
2025年5月27日、秘密漏えい疑いに関する第三者委員会会見
D氏及び元副知事の供述が時期及び内容においてE氏のこの点に関する新主張とほぼ一致していると言うことからすれば、これらの供述の信用性を否定することは出来ないと評価するのが相当である。
これと整合しない知事の前記供述は採用することが困難と言うべきであると言う結論に達しました。
2025年5月27日、兵庫県、前総務部長を停職3カ月の懲戒処分 故意の秘密漏えいあったと判断 告発文書問題
兵庫県の斎藤元彦知事らに対する告発文書問題で、文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の私的情報を前総務部長が漏らしたとされる疑惑で、県は27日、前総務部長の懲戒処分を発表した。故意の秘密漏えいがあったと判断し、停職3カ月とした。
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202505/0019034345.shtml(出典:神戸新聞)
2025年6月10日、斎藤知事らを守秘義務違反容疑で刑事告発 「自己保身のために漏洩」
兵庫県の内部告発文書問題をめぐり、告発した元西播磨県民局長(故人)の私的情報を漏洩(ろうえい)したり、漏洩を指示したりしたのは地方公務員法(守秘義務)違反の疑いがあるとして、神戸学院大の上脇博之(ひろし)教授が10日、斎藤元彦知事ら3人に対する告発状を神戸地検に提出した。
https://www.asahi.com/articles/AST6B0CDJT6BPIHB014M.html(出典:朝日新聞)
2025年6月13日、斎藤兵庫知事らを書類送検 県警、優勝パレード巡る告発で―地検が慎重に判断か
プロ野球の優勝パレードへの協賛金集めのため、金融機関への補助金を増額して県に損害を与えたとして、市民団体などから背任容疑で刑事告発されていた斎藤元彦兵庫県知事と片山安孝元副知事について、県警は13日、同容疑で書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。神戸地検は起訴の可否を慎重に判断する見通し。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025061300882&g=soc(出典:時事通信)
2025年6月20日、公選法違反の疑い、斎藤知事とPR会社社長の捜査結果を書類送付 兵庫県知事選巡り県警
昨秋の兵庫県知事選で、再選された斎藤元彦知事が選挙運動の見返りにPR会社に報酬を支払ったとして、公選法違反(買収、被買収)の疑いで斎藤知事と会社社長が告発された問題で、県警捜査2課は20日、同容疑で2人の捜査書類を神戸地検に送付した。捜査関係者への取材で分かった。県警は起訴を求めるかどうかの処分意見を明らかにしていない。地検が刑事責任を問えるかを判断する。
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202506/0019131230.shtml(出典:神戸新聞)
2025年8月8日、斎藤兵庫知事を任意聴取 公選法違反容疑で―神戸地検
兵庫県の斎藤元彦知事(47)が、昨年11月の知事選でPR会社に選挙運動の対価を支払ったとして告発され、公選法違反(買収)容疑で書類送検された問題で、神戸地検が斎藤氏から任意で事情聴取をしていたことが8日、関係者への取材で分かった。地検は今後、起訴の可否を慎重に判断する。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025080800790&g=soc(出典:時事通信)
2025年9月17日、兵庫知事を追加告発 利害誘導容疑で―弁護士ら
昨年11月の兵庫県知事選で、PR会社に選挙運動の報酬を支払った公選法違反(買収など)容疑で書類送検された斎藤元彦知事らについて、告発した弁護士らが18日までに、同法違反(利害誘導など)容疑にも当たるとして、神戸地検に追加告発した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025091800724&g=soc#goog_rewarded(出典:事実通信)
2025年10月1日、定例記者会見。公益通報者保護法に照らしても適法適切
フリー記者β
フリーのβです。(知事:お疲れ様です。) あの、冒頭質問の前に要望があるんですが。(知事:はい。)毎回のあの記者会見で(知事:ええ。)冒頭の発言、あの、実質的に知事、書いてる紙読み上げてるだけなんですね。(知事:ああ。)で、普通の、あの、生産性とか効率性っていう概念があると、普通の企業の記者会見、民間であると、事前に資料を配布して、えっと、項目内の質問を冒頭から受け付けるということが一般的なやり方だと思うんです。で、知事公務が多忙だそうで、記者会見の時間が1時間に制限されてるわけですから、え、もう、ゆ、書いてること読んでるだけの冒頭の15分が極めて生産性低いと思うので、ま、えー、これは記者クラブの方に申し上げるべきなのかも分かりませんが、あの、書いてるもん読んでるだけの質問やったら事前に資料を配布していただいて、あの、質問を、紙ベースで受け、あの、紙を読んだ上で質問を受け付けるように、我々も事前に読んできますんで、そのように運営を変えていただけるとありがたいなという要望をまず申し上げます。これはご回答不要です。で、質問なんですが、えっとー、先週の記者会見で、え、あ、ごめんなさい、先週、前回の記者会見でフリーの記者から、えー、昨年11月の知事選挙の対応について聞かれた際に、えー、選挙は適法に行ったというご回答されておられるんですが、その回答に変更はないですか。
 知事
そうですね。あのー、前回の11月の選挙については、ま、法令に則って適法・適切に行ったという思いで変わりありませんね。
フリー記者β
はい、分かりました。ありがとうございます。で、えっと、過去1年間の記者会見全文を読み込み、あら、再度読み込みまして、で、えっと、昨年の県議会の議事録も再度読み込んだんですが、知事、あの、文書問題は県の対応は、て、適切だったという回答に変更はないですかね。
 知事
ま、適法であり、適切に行ってきたということですね。
フリー記者β
あの、実を言うと、過去1年間で、今回、「文書問題について適法だ」とおっしゃったの今回が初めてなんですよ。(知事:ふーん。)これまでなんで適法とおっしゃってこられなかったんでしょうか。
知事
ま、適切に行ったっていうことは、法令に則ったことも適切に行ったということですから、ま、適法・適切に行ったということですね。
フリー記者β
なるほど。(知事:はい。)知事がおっしゃる、知事がおっしゃる、適法という言葉の概念の中には、適切という言葉の概念の中には、適法であるということが含まれてるということでよろしいですか。
知事
ま、適切、適法に、法令の趣旨に則って、適切に対応してきたということで、ま、適法、適切、いずれもきちっとやってきたということだと思います。
フリー記者β
分かりました。では、文書問題はどの法律の適法なんですか。法律名教えていただけません?
知事
ま、あの、先ほど答えさしていただいたとおりですね、あのー、地方自治法やこうちょく、いや…、などですね、あのー、法令に対しても、適切に、適法に対応してきたということだと思いますね。
フリー記者β
ん、地方自治法だけですか。
 知事
あとは、えっと、公益通報者保護法も含めてだと思います。
1:01:18 フリー記者β
公益通報者保護法の観点から見ても、適法であるというふうにおっしゃるわけですね。
知事
はい、適法・適切に対応してきたというふうに考えてます。
2025年10月8日、定例記者会見。初動から弁護士と相談しながら対応した
神戸新聞記者
分かりました。もう1点、あの、告発文書問題関連なんですけど、先週の会見の、あのー、えー、
議会の、これも代表質問答弁で、えー、告発文書の作成者を特定したことは公益通報者保護法上、
その、通報者を探索する行為は禁止されてないという趣旨で、あの、ご回答(知事:うん。)をい
ただいてたと思うんですけど、えーっと、これはその、公益通報者保護法上、おー、えー、ま、告
発文書で疑惑を告発された当事者、ま、利害関係者が、えー、通報者を特定調査していいという根
拠っていうのは、その、公益通報者保護法上どこ、どこを根拠に、あのー、そう判断されたんでし
ょうか。
知事
あのー、文書問題に関するご質問については、あのー、これまでも会見や議会の場の答弁などで、
えー、ご説明してきたとおり、えー、文書問題については、県として適切適正、そして適法に対応
してきたというふうに答えさしていただいております。ま、あのー、その答えを、えー、繰り返さ
していただきたいというふうには思ってます。
神戸新聞記者
あの、一応時系列としてなんですけど、あの、告発文書をまあ入手、あの、知事が、ま、把握され
て、で、えー、通報者を、ま、特定した、作成者を特定調査した、で、その後の4月1日に、えー、
県の特別弁護士に、えー、ここで初めて、その、公益通報者保護法に準じて、その、対応が適切か
どうかというのを初めて検証しているはずなんですけど、最初の初動の時点での、県の、その、初
動対応のその法的根拠っていうののは地方公務員法になるんですか。
知事
うん、ですから、あのー、文書問題にす、関する対応については、先ほど来申し上げましたとおり、
ま、これまでもずっと、こう、答えさしていただいているとおりですね、あのー、適切適正、そし
て適法に対応してるというのが県の見解でございますので、ま、その点を繰り返さしていただきた
いというふうに思います。ま、今回についても、議会等でも答えさしていただいているとおり、文
書の内容について企業名や個人名が多数、えー、含まれてる中で、放置しておくと著しい不利益が
生じることなどからですね、えー、対応さしていただいたということで、えー、初動対応から懲戒
処分まで、えー、弁護士などとも相談しながら対応してきたということで、適切だったというふう
に考えてますし、それを繰り返さしていただく旨ご理解ください。
兵庫県内部告発文書問題:時系列と法的検証(2024年3月〜2025年10月)
【2024年3月:告発文書の作成と知事による初動】
- 3月12日頃 元県民局長(当時60)が、県政運営に関する不正疑惑をまとめた「告発文書」を作成・配布(約10カ所)
- 3月20日 斎藤知事が、民間人からの情報提供で文書の存在を把握
- 3月21日 知事が片山副知事や県幹部に「徹底的に調べろ」と指示
- 3月25日 片山副知事らが事前連絡なしで県民局を訪れ、公用PCを押収
- 3月27日 知事が定例記者会見で「嘘八百」「公務員失格」と発言
法的検証:初動の重大な問題点
- 3月20日以降の行為(指示・押収・発言)には、法的検討が一切なされていなかった可能性。
- 実際、弁護士への相談は4月1日から開始しており、それ以前の「通報者探索行為」は**公益通報者保護法第13条違反(探索禁止)**に該当する可能性。
【2024年4月:内部告発と処分方針】
- 4月1日 藤原正広弁護士(県特別顧問)が処分助言を開始(産経 2024/9/5)
- 同日 元県民局長、知事の会見発言に反論する文書を報道機関に送付
- 4月4日 実名で県の公益通報窓口に内部通報を提出
- 4月中旬 知事が総務部長を通じて「調査を待たずに処分できないか」と打診(読売 2024/8/24)
- 同時期 藤原弁護士が「法的には可能」と助言(読売 2024/9/5)
法的検証
- 「通報結果を待たずに処分」は**公益通報者保護法第3条(不利益取扱いの禁止)**に反するおそれ。
- 弁護士の「法的に可能」助言は、通報保護制度の趣旨に反する重大な誤り。
【2024年5月:処分と議会の動き】
- 5月7日 元県民局長を「誹謗中傷・不正行為」として停職3か月処分
- 同日 県議会が第三者委員会設置を全会派で要請
- 6月中旬 百条委員会設置議案を可決
問題点
- 「証拠が出てこなかった」との理由で処分を正当化したが、通報者には証拠提出義務がない(守秘義務抵触防止のため)。
- 第三者委員会設置後も、知事は県側の調査を「適正」と主張。
【2024年7月以降:急展開と告発】
7月7日 百条委員会で証言予定の元県民局長が死亡
7月10日 県職員労組が知事に辞職要求
7月31日 片山副知事が辞職
9月6日 百条委で知事が「第三者委員会でやりたかった」と証言(産経)
9月19日 県議会が不信任決議を全会一致で可決
9月30日 知事失職・出直し選挙表明
【2024年11月〜2025年3月:再選と新たな告発】
11月18日 二馬力選挙で再選(約111万票)
12月2日 公選法違反(買収容疑)で弁護士・教授らが告発(日本経済新聞)
2025年1月21日 背任罪の告発を県警が受理(産経)
3月19日 第三者委員会が「通報者探索は違法」「PC押収も違法」と認定
3月26日 知事は「対応は適切」と主張を変えず
【2025年5月〜9月:法的責任の焦点化】
5月27日 前総務部長を「秘密漏えい」で停職処分(神戸新聞)
6月10日 上脇博之教授が知事らを守秘義務違反で刑事告発(朝日)
6月13日 背任容疑で書類送検(時事)
6月20日 公選法違反容疑でも書類送付(神戸新聞)
8月8日 知事が任意聴取(時事)
9月17日 利害誘導容疑で追加告発(時事)
【2025年10月:知事発言の変化】
10月1日定例会見:「公益通報者保護法に照らしても適法・適切」発言(初めて“適法”と明言)
10月8日定例会見:「初動から弁護士と相談しながら対応した」と説明変更
発言の食い違い分析
| 時点 | 知事の説明 | 証拠との整合性 | 
|---|---|---|
| 2024年3月20〜27日 | 法的検討前に「徹底調査」指示、PC押収 | 弁護士助言は4月1日以降(整合せず) | 
| 2025年10月8日 | 「初動から弁護士と相談」 | 産経報道(9/5)と矛盾 | 
| 2025年10月1日 | 「公益通報者保護法に照らしても適法」 | 第三者委員会報告(違法認定)、消費者庁の技術的助言と矛盾 | 
総括:法的・倫理的評価
| 評点 | 内容 | 
|---|---|
| ① 公益通報者保護法第13条違反 | 通報者探索・PC押収は違法行為と第三者委員会が明確認定 | 
| ② 不利益取扱いの禁止違反 | 通報後に懲戒処分を実施 | 
| ③ 守秘義務違反の疑い | 個人情報漏洩で元総務部長が処分、知事も刑事告発対象 | 
| ④ 政治倫理上の問題 | 不信任決議・再選後も説明責任果たさず | 
| ⑤ 発言の整合性欠如 | 「初動から弁護士と相談」は後付け説明の可能性大 | 





