兵庫県広報アカウントが“謎のフォロー”?職員も「承知していなかった」――不正操作か内部関与か

2025年10月25日

兵庫県の公式広報アカウントに関して、不可解なフォロー行為があったとして注目が集まっています。
辻井たつや氏のブログによれば、兵庫県の広報担当職員に確認したところ、
「全く承知していなかったので驚いた」「詳細は不明」「調査中」との回答があったとのことです。

本記事では、この出来事の経緯と、考えられる可能性について整理します。


考えられる理由(なぜ「バレる嘘」に見える対応をしたのか)

  1. ダメージ最小化(政治判断)
    公式が個人的にフォローしていた、あるいは公式アカウント運用で不適切な関与があったと認めると政治的ダメージが大きい→「文書はない」としてまずは否定して時間を稼ぐ。
  2. 証拠の定義違い/事実認識のズレ
    ユーザー側が見る「フォローの履歴(スクショ)」と、県側がいう「公文書(記録)」とでは対象が違う(公式の記録が残っていない、もしくは職員の個人的操作で公式文書が作られていない)という説明。見た目は同じでも「公文書」としての扱いが違う場合がある。
  3. 内部の無責任・運用ミス
    単純に記録管理がずさん、担当が調べていない、回答作成が拙速で誤った結論を出してしまった。
  4. 故意の隠蔽(悪意)
    事実が発覚すると不利になるため、あえて「不存在」と回答して公表を阻止しようとした可能性。意図的なら後で整合性がとれず破綻するリスクがある。
  5. 法的戦略
    「文書不存在」と回答しておいて、後で(必要なら)限定的にごく一部の記録だけを提出するなど、法的に戦うための布石であることもある。

【問題の核心】

県の公式アカウントが、政治的に偏った発信を行う個人をフォローしていた場合、
それが「県としての意図的な行為」なのか、「職員による私的操作」なのかで、意味は大きく異なります。

現時点で考えられるシナリオは次の2つです。

① 不正ログイン・外部からの操作

第三者による不正アクセスで、アカウント操作が行われた可能性。
→ セキュリティの問題であり、システム的な検証が必要。

② 内部職員による私的行為(内部関与)

広報担当の中に、特定の政治家やその支持者的な立場を取る職員が存在し、
職務アカウントを私的に操作した可能性。
→ 倫理的・懲戒的な問題であり、組織内部のガバナンスが問われる。

いずれの場合も、県として早期に調査結果を明らかにしなければ、
「政治的に偏った情報発信に行政が関与しているのでは」との疑念を拭えません。


「デザイン オフィス スイッチ」はSNS運用(X/旧Twitter)とは直接関係がない可能性が高い

領収証の内容の整理

領収証には以下のように記載されています:

  • 日付:2024年11月28日
  • 宛名:さいとう元彦 様(=個人名)
  • 内容:
    • 「チラシ代」:¥58,080(税込)
    • 「ホームページ保守」:¥205,120(税込)
  • 発行者:デザイン オフィス スイッチ(神戸市中央区京町79 日本ビルヂング)
  • 発行者署名:鎌屋陽一氏

つまり、これは兵庫県庁の広報や公的サイトに関する契約書・領収書ではなく、齋藤元彦個人宛の取引です。
(したがって、県の支出や業務委託ではない)

業界の一般的な受注のくくりとしては、ホームページ制作とSNS運用は全く違う分野で、ホームページ制作で利用するFTP情報(サーバーとの接続情報)とSNSアカウントのログイン情報は全く違うもので、仮に県庁のホームページ制作を請け負っていたとしても、SNSアカウントのログイン情報が共有されることは一般的にはありません。


関連性をめぐる誤解が生じた理由

「兵庫県HP制作に神戸のデザインオフィスが関わっており」
「関係者の名前が #かまやみひ #神戸の夜景 を連想できる」

という投稿は、次のような連想ベースの推測だと思われます:

推測の根拠実際の確認
デザインオフィススイッチが「兵庫県のサイト制作に関わっている」実際には、**齋藤知事個人サイト(または政治関連サイト)**を請け負っている可能性が高い
代表の鎌屋氏の名前が「かまやみひ」に似ている偶然の一致の可能性が高く、根拠としては弱い
アカウント名が「神戸の夜景」→神戸の業者では?こちらも地名の偶然一致の可能性

【兵庫県に求められる説明責任】

兵庫県は、SNS運用ガイドラインにおいて「中立性・公平性の確保」を明記しています。
にもかかわらず、今回のような不可解な操作が発生した場合、
県民からの信頼を守るためには、

  • 誰が操作したのか
  • どの端末・時間帯で行われたのか
  • アカウントの管理体制に問題はなかったか

といった具体的な説明が不可欠です。


忖度による操作であれば、行政の“中立性崩壊”の恐れ

今回の「兵庫県広報アカウントの謎のフォロー」問題について、
仮に不正ログインなど外部からの操作ではなく、県内部の職員による行為だった場合、さらに深刻な問題が浮かび上がります。

特に、

  • 知事本人やその支持者に有利になるようなフォロー・発信を行い、
  • その経緯を「文書不存在」などとして説明を避けている
    とすれば、
    これは明確に「公務の私物化」および「行政情報の隠蔽」にあたります。

【“忖度体質”が県政全体を侵食している可能性】

兵庫県では、これまでも知事のSNS運用や公務との線引きが曖昧だと指摘されてきました。
もし広報部門にまで「知事に逆らえない」空気が広がっているなら、
行政組織としての健全なチェック機能が働かない危険な状態です。

このような“忖度文化”が根付けば、
・不都合な情報は隠す
・上層部に不利なことは調査しない
・現場職員は沈黙を強いられる
といった、透明性の欠如した統治構造が固定化されてしまいます。

【県民の信頼回復には、徹底した検証と情報公開が不可欠】

今後、兵庫県が行うべきは「調査中」という曖昧な説明ではなく、

  • 操作ログの開示
  • 担当者のヒアリング結果
  • 関連する文書の存否確認
    など、客観的な証拠に基づく説明です。

もし内部関与が認定されれば、再発防止策だけでなく、
「行政組織の倫理教育」「情報公開制度の見直し」など、根本的な改革が必要になるでしょう。


兵庫県議会 総務常任委員会(令和7年10月23日)

上野議員の質問。

当局の説明では、不正アクセスがあったとのこと。

https://www.youtube.com/live/399wIREeaJE?si=S3SW7XUDzrXInHrL&t=5898

【まとめ】

今回の「兵庫県広報アカウントの謎のフォロー」問題は、
単なる“誤操作”に見える一方で、
行政の情報発信における「中立性」と「ガバナンス」を問う重要な事例です。

真相解明にあたっては、
県民への説明責任と再発防止策の明確化が求められます。