【二重基準】2馬力選挙は「防止に賛同」なのに「自分の選挙は適法」──斎藤知事、核心を答えず矛盾深まる
目次
核心を避ける答弁──「どの選挙か」を最後まで言わない
2025年11月4日の定例会見。しんぶん赤旗記者が「全国知事会緊急提言の“2馬力選挙”はどの選挙を指すのか」と繰り返し尋ねたが、斎藤知事は「制度一般」「透明・適正」「時代の変化」などの抽象語を繰り返し、具体の選挙名や事実認定を最後まで示さなかった。
「防止に賛同」なのに「自分の選挙は適法」──二重基準の成立
全国知事会の緊急提言は、いわゆる2馬力選挙の防止を趣旨としている。斎藤知事は賛同を明言。一方で、9/17会見では自らの選挙について「適法」と発言している。
防止を求める立場と自らのケースは適法という主張が並立しており、二重基準が成立している。
論点ずらしの典型:制度一般→個別事実の不回答
本件は「制度論」を否定するものではない。しかし、個々の事実認定(どの選挙を指すのか、立場は変わったのか)を問われた場面で、制度一般の抽象論へ誘導するのは、説明責任の回避である。
関連指摘も回避:立花氏との関係性は「意味が分からない」
記者から、立花氏の影響について直接問われた際も、知事は「意味が分からない」と回避。知事が同席する場面での司会者発言や街宣の時系列に照らすと、“知らない”は不自然という評価が免れない。
矛盾の構図(箇条書き)
- 「提言に賛同」=2馬力選挙の防止を支持
- 「自分の選挙は適法」=2馬力選挙の正当化に近い含意
- 「どの選挙を指すか」→ 答えない
- 「立場を変えたのか」→ 答えない
- 「立花氏との関係」→ “意味が分からない”で回避
主な論点と斎藤知事の回答の傾向
| 論点 | しんぶん赤旗の主張(質問) | 斎藤知事の回答の傾向 |
| 全国知事会提言の「2馬力選挙」が指す選挙 | 7月の全国知事会の緊急提言にある「2馬力選挙」はどの選挙を指すのか。斎藤知事の認識を答えよ。 | 「様々な選挙制度について要望がとりまとめられた」「法が想定していない状況が生じた場合に対応が必要」などと、具体的な選挙名(兵庫県知事選)や「2馬力選挙」という言葉を避けて一般論に終始。 |
| 提言への賛同と「2馬力選挙」の防止 | 提言は2馬力選挙を防止するための法改正を求めており、知事はこれに賛同したのだから、2馬力選挙の防止に賛同しているのか。 | 「社会、経済情勢の変化で、選挙制度に関して、透明かつ適正な運用について、法改正などの対応が必要であれば、やっていくべきだ」と、抽象的な賛同にとどめる。 |
| 立場の矛盾 | 9月の会見で「県知事選の2馬力選挙は適法だった」と答えたことは、提言への賛同と逆の立場であり、立場を変えたのか。 | 「当時の選挙は自分が出来ることをしっかり適切に適法に対応させて頂いた」と、自身の選挙活動の適法性のみを主張し、提言との矛盾には直接回答しない。 |
| 立花孝志氏との関係 | 2馬力選挙を認めないのは立花孝志氏との関係があるからではないか。知事は反社会的カルト集団と裁判で認定された組織の頭目とされる人物に頭が上がらないのか。 | 「おっしゃっている意味が分からない」「県民の皆さんからご付託を受けた立場として、県政をしっかり前に進めて行く」と、関係を否定し、県政への意欲を強調。 |
結論:具体を語らない限り、矛盾は深まるだけ
- 2馬力選挙の具体事例
- 賛同した提言との整合性
- 自己の選挙に関する事実認定
- 関係者との関係性の透明化
これらを語らないまま、「抽象的な制度論」だけを繰り返しても、矛盾は深まるばかりだ。県政の信頼回復には、個別具体の説明が不可欠である。






