斎藤知事支持から「静かな不支持」へ―今、兵庫県で起きている知事にとっての本当に危険な変化

声を荒げない県民が増えている

兵庫県政を巡る議論は、「斎藤知事支持」か「反斎藤」かという二項対立で語られがちです。

しかし、今起きている変化は、声の大きな対立とはまったく別の場所で進んでいます。

それは、かつて斎藤知事に投票した、あるいは容認していた県民が、静かに距離を取り始めているという事実です。

データが示す「支持から不支持への転換」

下のグラフは、斎藤知事を支持していた、または肯定的に見ていた人が、不支持へと転じた声を時系列で整理したものです。

※ここで示されている数値は、あくまで「可視化できた一部」に過ぎません。

実際には、

  • SNSに書かない
  • デモにも参加しない
  • 批判的な投稿に「いいね」すら押さない

それでも
「次は投票しない」
「もう支持できない」

と判断している、サイレントクレーマーが相当数存在すると考えられます。

支持をやめた人たちの「生の声」

実際に聞かれる声は、非常に重いものです。

兵庫県民です。この問題が起きた当初、あまりのマスコミの斎藤知事叩きに違和感をもち、立花氏の「マスコミはウソばかり、知事は何も悪くない素晴らしい人」だというキャンペーンにも後押しされ、斎藤知事に投票しました。再選後知事は「生まれ変わってやり直したい」と言っていたので、この分断混乱した状態を収めてくれるのだと思っていたのですが…。知事は反対派含む多くの県民に広く理解を求める姿勢もなく、記者とも全く対話になっていない。記者会見は県民の知る権利のためにやっているのに。様々な疑惑には絶対に答えない。言われた疑惑に違うなら違う、とハッキリ言うことすらしない。政治家は人と対話し、交渉することが大事な仕事だと思うが、ここまで対話ができない、混乱を招くばかりでおさめることもできないとは。たとえ掲げる政策はどんなに良いものであっても、これで県政を進めることができるのか。次は投票しません。

議会はひよらないで不信任決議を出して欲しい。 前回の「出直し選」は投票に行かなかったけど、今度こそ斎藤以外に入れます。 だってまさか、立花なんかの流言に県民が惑わされて当選するなんて思いもしなかったから。 自分と同じ感じで投票に行かなかった人も多いと思う。

「斎藤元彦知事が会見立ち去り 「質問と食い違う回答」続出…“強制終了”がもたらす民主主義の危機」
https://news.yahoo.co.jp/profile/news/comments/b232a131-c98b-47a7-bd14-a4d5c2d0923c(出典:#ヤフコメ 2025年12月6日)

斎藤知事に投票した兵庫県民です。 今思うのは確かに昨年のマスコミの斎藤知事叩きが酷かったが、だからと言ってマスコミが『悪』で斎藤知事が『正義』ではないということ。「斎藤さんは正義の人」という立花氏の二極論に乗せられてしまったこと後悔しています。知事は就任時、「風通しの良い職場を。生まれ変わってやり直す。」と言っていたが、リーダーシップを発揮して歩み寄りや交渉でこの混乱をおさめることもせず、ただただ自分を押し通し、反対する者には耳をかさず容赦なく切り捨てるので分断と混乱は増すばかり。このやり方では敵ばかり増えていくのは明白。疑惑にはテンプレ答弁。自身を肯定してくれる一部の熱狂的なファンに向けてSNSに没頭。私はアンチや左でもない一般県民だけど、情報漏洩に関して疑惑が拭いされないので知事のちゃんとした説明が聞きたかった。説明するどころか、会話が成り立っていない会見を見て、これはダメだと思った。

「斎藤元彦知事の物言いに怒る記者たち 失礼との声にも「記者の個人的見解」と突き放し「質問には答えている」」
https://news.yahoo.co.jp/profile/news/comments/fcc1d025-3943-4911-aefd-7234f54e3a4d(出典:#ヤフコメ 2025年12月28日)

兵庫県民ですが、確かに選挙で選ばれましたが、立花の偽情報に踊らされて斎藤に投票した人がかなりいたと思います。知り合いにもいましたが今は反省しています。未だに応援している人も確かにいると思うけど、多くの県民が斎藤を応援しているようなコメントは間違っていると思う。あなたが応援することに関してはあなたの勝手だが、そう思わない人もいることは認識すべきだ。

「兵庫県の斎藤知事「説明できる限りで答えている」告発文書問題について答弁 維新会派は「県政は停滞していない」と評価」
https://news.yahoo.co.jp/profile/news/comments/7240ed2f-fdf2-400e-8f97-e6647081fd4c(出典:#ヤフコメ 2025年12月5日)

これらは、過激な反対派の声ではありません。

むしろ「普通の県民が、自分の投票行動を省みた結果」として出てきた言葉です。

問題は政策ではなく「説明と姿勢」

これらの声を注意深く読むと、政策そのものを細かく批判している人はほとんどいません。

多くが指摘しているのは、

  • 説明から逃げているように見える
  • 質問の意味を理解していないような答弁
  • 公約不履行への十分な説明がない
  • 県民に向き合っている姿勢が感じられない

という点です。

つまり、問題の核心は政策の成否ではなく、説明責任と対話姿勢です。

サイレントクレーマーが最も危険な理由

行政や組織運営の世界では、「サイレントクレーマーを放置すると致命傷になる」と言われます。

なぜなら彼らは、

  • 攻撃してこない
  • 要求もしない
  • ただ静かに去る

からです。

そして一度離れた信頼は、怒っている人よりも、はるかに戻りにくい

今回のケースでは特に、

「支持していた自分がNOを突きつける」

という心理的ハードルを越えた人たちです。
この層を軽視することは、選挙において極めて危険です。

「議会はひよるな」という声の意味

「議会はひよらないで不信任決議を出してほしい」

この声は、
感情的な攻撃ではありません。

  • 知事個人を貶めたい
    のではなく
  • 議会としての責任を果たしてほしい

という、制度への信頼の訴えです。

これは裏を返せば、県民はまだ兵庫県の民主主義を諦めていない、ということでもあります。

今、知事に求められている唯一の対応

状況を打開する手段は、実は非常にシンプルです。

  • 逃げない
  • はぐらかさない
  • 判断プロセスと法的根拠を言葉にする
  • 不都合な点も含めて説明する
  • 県民を「理解させる対象」ではなく「対話の相手」として扱う

これができなければ、

  • 支持は広がらない
  • 中間層は静かに離れ続ける
  • 選挙では声の大きさではなく「数」で負ける

という結果になります。

静かな声こそ、最も重い

今、兵庫県では「過激な反対運動」が目立ちますが、実際に起きているのは普通の市民の静かな離反です。

普通の県民が、冷静に見て、判断を変えているという現象です。

この静かな変化を無視した時、本当に致命傷になるのは、個人ではなく、県政全体への信頼です。

だからこそ今、説明と対話が求められています。

判断を変えた「普通の県民」の多くは、もともと会見を熱心に見ていた層ではない

しかし、

👉 デモ・プロテスト・街角チャレンジを「入口」にして
👉 初めて、または改めて会見配信を見るようになり
👉 知事本人の言葉と態度を自分の目で確認し
👉 その結果、判断を変えている

という流れが、最も多いと考えられます。

もともと会見を見ていた層は「少数派」

まず前提として、

  • 定例記者会見をフルで見る県民
  • 法的論点や答弁の変遷を追う県民

これは、どの自治体でもごく少数です。

斎藤知事に限らず、

  • 選挙前のイメージ
  • メディアの要約
  • SNSの断片的情報

で評価していた人が大半でした。

今回「判断を変えた人」の発言を見ても、

「会見を見ていて〜」

という表現より、

「時折TLで流れてくる会見の場での受け答えを見て」

という言い回しが多いことが特徴です。

これは常時視聴ではなく、断片的接触から入っていることを示しています。

デモや街角チャレンジの役割は「認知のスイッチ」

デモ・プロテスト・街角チャレンジの最大の役割は、賛成・反対を説得することではありません。

役割はただ一つです。

👉 「何かおかしいらしい」「一度ちゃんと見てみよう」
というスイッチを入れること

これが入った瞬間、

  • Xで流れてきた会見切り抜き
  • YouTubeの配信
  • 記者会見の全文動画

を見る行動につながります。

重要なのは、ここで初めて「メディア越し」ではなく「本人の言葉」をストレートに見るという点です。

判断が変わる決定打は「会見そのもの」

多くの人が判断を変えた理由は、デモの主張そのものではありません。

決定打は、

  • 質問に正面から答えない
  • 同じフレーズの繰り返し
  • 論点をずらす答弁
  • 法的評価や判断プロセスを語らない

といった、会見での振る舞いです。

ここで重要なのは、

「記者が意地悪だから」
「切り取りだから」

では説明がつかないという点です。

フル配信を見た結果、違和感が増したという人が少なくありません。

元々会見を見ていた層は「早期に離脱」

一方で、

  • 以前から会見を見ていた
  • 行政・法務・報道に関心があった

この層は、もっと早い段階で違和感を持ち、すでに離れているケースが多いです。

今回グラフで後半に増えているのは、

👉 これまで無関心〜軽い支持だった層が動き始めた証拠です。

なぜ今になって変化が顕在化しているのか

理由は3つ重なっています。

  1. デモ・街角チャレンジ・プロテストが「異常事態」を可視化した
  2. 会見配信が繰り返され、言動の蓄積が見えるようになった
  3. 「説明しない姿勢」が一時的でなく、構造的だと分かった

つまり、

一度の失言ではなく
繰り返し見ても変わらない態度

が、信頼を削っています。

重要なポイント(とても大事)

これは強調したいのですが、

街角チャレンジやデモ、プロテストは、世論を直接動かしたのではありません。

  • きっかけを作った
  • 見る行動を促した
  • 判断材料にアクセスさせた

だけです。

しかし、関心の薄かった層に「きっかけ」を与えた効果は極めて大きい

ただし判断を下したのは、県民自身です。

だからこそこの流れは、

  • 一過性ではない
  • 扇動されたものではない
  • 逆戻りしにくい

という特徴を持ちます。

街頭活動やプロテストは、

  • 賛成か反対かを押し付けた
  • 特定の結論に誘導した

のではありません。

果たした役割は、極めて限定的で、しかし決定的です。

異常事態の可視化

「ここまで人が動くということは、
何か普通ではないことが起きているのでは?」

この疑問を、政治に距離を置いていた層に初めて持たせた

この構造で判断を変えた人は、

  • 煽られていない
  • 怒りで動いていない
  • 一時的な空気に流されていない

ため、非常に戻りにくい。

しかも多くは、

「自分は以前、支持・容認していた」

という自己反省を伴っています。

これは政治心理学的にも、最も強固な判断転換です。