斎藤知事への刑事告発

2025年9月2日

戦後、知事として刑事告訴、告発され起訴された例はそんなに多くはありません。辞職のタイミングはそれぞれです。

実際に起訴された知事たち(無罪判決は除く)

横山ノック(本名:山田勇)(大阪府知事)

1999年、運動員として関わっていた女子大学生から「選挙カーの後部座席で強制わいせつ行為を受けた」として、大阪地検特捜部に強制わいせつ容疑で告訴されました。

その結果、刑事事件として在宅起訴され、大阪府知事の職を辞職することとなりました。

最終的に、2000年に刑事裁判で「懲役1年6か月・執行猶予3年」の有罪判決が下され、判決は確定しました。

社会的批判が強く、起訴前に辞職を選択。

安藤忠恕(宮崎県知事)

2009年、自らの知事在任時に関する収賄と談合により有罪判決(懲役など)を受けています。

談合収賄で起訴されても一時在職を続けたが、有罪判決を受け辞任

佐藤栄佐久(福島県知事)

2008年、収賄容疑で起訴・有罪(執行猶予付き刑)、その後の再審請求もありました。

2006年、談合・収賄事件で在宅起訴

直後に「県政混乱を避けるため」として辞任

猪瀬直樹(東京都知事)

2013年、選挙資金(公職選挙法違反とみなされる政治資金)に関して摘発・起訴。

2014年3月に簡易公訴(略式命令)で立件されています。

2013年、徳洲会グループからの5,000万円問題。

当初は告発・事情聴取段階で辞めず、略式起訴される直前の政治的圧力の中で辞任。

斎藤元彦・元兵庫県知事ら、背任容疑で兵庫県警に刑事告発 プロ野球優勝パレード“キックバック”疑惑

斎藤前知事と片山安孝前副知事が、プロ野球優勝パレードへの協賛金集めのため、金融機関への補助金を増額して、プロ野球優勝パレードの協賛金にキックバックさせ、県に損害を与えたとして、市民団体などが9日、背任容疑で兵庫県警に告発状を提出した。

告発状によると、片山前副知事は2023年11月、兵庫県内の複数の金融機関に対する「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」の予算編成時に、補助金を1億円から4億円に増額し、見返りとして阪神とオリックスの優勝パレードへの寄付を要求したとされる。

兵庫県警は2025年6月13日、捜査結果をまとめて神戸地検に送付した。

斎藤元彦知事とPR会社代表に告発状 「選挙運動で報酬」

兵庫県の斎藤元彦知事が再選した知事選を巡り、県内のPR会社にSNSなどによる広報を依頼し報酬を支払ったのは公職選挙法違反(買収、被買収)の疑いがあるとして、弁護士と大学教授が2日、斎藤氏と同社代表に対する告発状を神戸地検と兵庫県警に送付したと明らかにした。

告発状などによると、斎藤氏は知事選でPR会社の代表にSNSなどを通じた「戦略的広報業務」を依頼。「選挙運動をすることの報酬」として71万5千円を支払ったことが、公選法が禁じる買収・被買収に当たるとし、郷原弁護士は会見で「選挙運動の対価ではないという弁解は通らない」と指摘した。

選挙に主体的・裁量的に関わったことを赤裸々に記載したmerchu折田楓氏のnoteの魚拓

神戸地検と兵庫県警は2月7日、PR会社の関係先を同法違反の疑いで家宅捜索した。

検察が先月(7月)、知事から任意で数時間事情を聴いたことが分かりました。

斎藤知事は違法性について否定する説明をしたとみられています。

警察が6月20日、捜査結果をまとめた書類を検察庁に送ったことが捜査関係者への取材で分かりました。

斎藤知事「公職選挙法違反」が“セーフ”でも、今度は「政治資金規正法違反」で“詰み”? 神戸地検から聴取…罪に問われる可能性は【選挙法務のプロが解説】(出典:弁護士JPニュース)

異例の82人態勢、告発した上脇教授 「斎藤知事への違和感を共有」

兵庫県の斎藤元彦知事ら3人に対する地方公務員法(守秘義務)違反容疑で神戸地検に告発状を提出した、上脇博之(ひろし)・神戸学院大教授は10日の会見でこう述べ、知事らを批判した。告発状に名を連ねた代理人弁護士は82人に上る、異例の態勢だ。

告発状は、井ノ本知明・前総務部長が昨年4月、職務上知り得た秘密を県議3人に漏らし、斎藤知事と片山安孝・前副知事は漏洩(ろうえい)を命じたり、そそのかしたりして、いずれも守秘義務に違反したと指摘している。

兵庫県の内部告発文書をめぐり、告発者の私的情報を漏洩(ろうえい)したり、漏洩を指示したりしたのは地方公務員法(守秘義務)違反の疑いがあるとする、斎藤元彦知事ら3人に対する告発状が20日、神戸地検に受理された。

公益通報者保護法違反(告発はされていない)

公益通報者保護法違反は、告発文を作成した告発者(元県民局長)を探索して処分したことが、公益通報者保護法違反と第三者委員会かせ認定されています。

告発があるとすれば、県民局長の遺族になりますが、遺族には、県民局長の私的文書に絡んで激しい誹謗中傷が行われており、県内に住む13人が200時間の給与に相当する62万5000円を遺族に返還させるよう県に求める訴訟を神戸地裁に起こしていました。

遺族側から7月14日に給与相当額について自主返納の申し出があり、16日受け取ったことを明らかにしました。

遺族の代理人弁護士は自主返納したことについて「訴訟が長期化することは望んでおらず、そっとしておいてほしい」とコメントしています。

との意向が示されていることから、訴訟に発展することは無いと思いますが、公益通報者保護法違反は第三者委員会が明確に認定している事実がありますので、厳しく追及して行く必要があります。

これほど多くの嫌疑を掛けられた知事はいない

過去に、告訴・告発された知事はいましたが、これほど多くの嫌疑を掛けられて、告発された知事はおらず、斎藤知事の異常性を表しているものと思います。

これほど遵法意識の低い知事は、法に触れなくても、様々な不適切な行為を行っている可能性があり、第三者委員会からもパワハラやおねだりも指摘されており、このまま知事の座に留まり続けると、県職員の士気の低下など、県民が著しい被害を受ける恐れがあります。