【社説分析】立花孝志逮捕で「潮目が変わった」|神戸新聞が斎藤元彦知事に突きつけた説明責任
2025年11月11日付の神戸新聞社説は、名誉毀損容疑で逮捕・送検された立花孝志容疑者の事件をめぐり、兵庫県政に深く切り込む異例の論調を展開した。
社説は「斎藤知事はコメントを控えたが、無関係を装うのは無理がある」と断じ、選挙の正当性そのものに疑問を投げかけている。
この逮捕劇をきっかけに、県政を覆う「2馬力選挙」問題が再び焦点となり、潮目が変わりつつある。
https://kobe-np.co.jp/opinion/202511/0019691128.shtml(出典:神戸新聞)
目次
竹内英明元県議の名誉を守るための異例の立件
兵庫県警は、2025年1月に死亡した元県議・竹内英明氏の名誉を傷つけたとして、「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志容疑者を名誉毀損の疑いで逮捕・送検した。
立花容疑者は「警察に取り調べを受けている」「逮捕予定だった」といった虚偽発言をSNSや街頭演説で繰り返していた疑いがあり、遺族が6月に告訴していた。
県警は「表現の自由」との兼ね合いを考慮しながらも、死者に対する名誉毀損罪という極めて異例の立件に踏み切った。
社説はこれを「根拠なき情報拡散への社会的警鐘」と位置づけ、遺族の尊厳を回復する意義を強調している。
社説が突きつけた「2馬力選挙」の闇
立花孝志と斎藤陣営の“政治的一体性”
社説は「立花容疑者は不信任決議で失職した斎藤元彦氏を応援する『2馬力選挙』を展開した」と指摘。
竹内氏を“黒幕”と決めつけ、事実無根の誹謗中傷を拡散したと批判している。
この構図は、単なる候補者間の応援関係にとどまらず、政治的共闘関係=実質的な選挙連携だったとの見方を強めるものだ。
「無関係を装うのは無理」との断言
立花容疑者の逮捕について、斎藤知事は「コメントを控えたい」と述べるにとどめ、「誹謗中傷は把握していない」と発言した。
しかし社説は、「立花容疑者の言動を自身と無関係とするのは無理がある」と明言。
“沈黙は説明責任の放棄”と断じ、知事の政治倫理を正面から問いただしている。
潮目を変える「司法と報道」の連動
今回の社説には、明確な政治的メッセージがある。
司法(県警・地検)が死者の名誉を守るために異例の立件を行い、報道(神戸新聞)が知事の説明責任を公然と指摘した。
これは、司法と報道が同時に「沈黙する県政」を揺さぶり始めたことを意味する。
かつて「2馬力選挙」は県議会や一部メディアで問題視されながらも、証拠不足を理由に政治的追及は限定的だった。
しかし今回、立花容疑者の逮捕を契機に、知事と立花氏の関係を再検証する動きが再び勢いを増している。
県議会が再び動く可能性
今後、県議会が焦点とするのは「説明責任」と「倫理的責任」だ。
- 知事が“把握していない”と繰り返す一方で、SNSや演説で誤情報が拡散された
- 百条委で知事を追及した竹内氏が亡くなり、その後もデマが放置された
この一連の経過を無関係とすることは極めて難しい。
神戸新聞の社説は、議会に「再調査・再質問・再不信任」の政治的正当性を与える内容となっている。
「潮目は変わった」——。報道と世論の圧力が、県政の沈黙を打ち破る局面に入った。
県議会への「直接的働きかけ」は極めて有効
現職の県議に対して、市民から直接に意見や要望を届ける行動は、議会の空気を変える上で最も実効性があります。
ただし、感情的な抗議よりも、**「事実に基づいた質問要求」や「説明責任を果たすよう求める文面」**が効果的です。
具体的な方法
- 県議会ホームページの「意見・要望フォーム」(全議員宛送信可能)
- 選出選挙区の県議の事務所宛に書面提出(要控え保管)
- 議会会派宛の公開質問状(特に自民・維新・立憲など主要会派へ)
要請内容の例
・神戸新聞社説で指摘された「2馬力選挙」の説明責任を求めてください
・立花孝志容疑者逮捕を受け、百条委または臨時調査委の再設置を検討してください
・知事の「コメント控え」姿勢が県民信頼を損ねていることを議会で取り上げてください
文書での要請は、後に記録・証拠として残る点でも重要です。
定例会見・街角での可視的抗議は「沈黙打破」に効果
街頭での「可視化された抗議活動」は、知事の言動が県民にとって「無関心ではいられない」空気を作り出します。
ただし、安全と冷静さを最優先にし、「言葉の暴力」や「個人攻撃」に見える形を避けることが重要です。
ポイント
- プラカードや横断幕には「説明責任を果たせ」「真実を語れ」などシンプルで訴求力のある言葉を使う
- 県庁前・記者会見会場周辺では撮影・録音を徹底して、報道機関に情報提供する
- 複数人での行動は事前に許可申請を行い、法的トラブルを避ける
SNS・YouTubeなどの情報発信は「世論形成の主戦場」
X(旧Twitter)やYouTubeは、斎藤知事をめぐる報道を拡散・検証する最前線になっています。
ただし、ここでも重要なのは**感情的対立より「根拠ある発信」**です。
効果的な発信方法
- 新聞・議会・第三者委員会報告など「一次情報」を添付して投稿
- ハッシュタグを統一(例:「#斎藤知事は説明責任を果たせ」「#2馬力選挙の真相を」など)
- 信頼できる他アカウントとのリプライ連携で“可視範囲”を広げる
- YouTubeでは「要約+一次資料のスクリーンショット」を組み合わせ、短時間で理解できる構成にする
説明責任こそが県政の信頼回復の第一歩
斎藤知事が真に県民の信頼を取り戻すには、立花氏との関係性を明確にし、2馬力選挙の実態を自ら説明するしかない。
「コメントを控える」では、もはや通用しない。
神戸新聞の社説は、単なる批判ではなく、「説明せよ」という民主主義社会からのメッセージである。
沈黙が続けば、県政の信頼は回復不能に陥るだろう。





