斎藤知事に対する新聞各社の社説
目次
- 1 斎藤信者は偏向報道だと言うが
- 2 BPO | 放送倫理・番組向上機構
- 3 新聞倫理綱領
- 4 「SNSにこそ真実がある」という考え方の危険性
- 5 全国紙の斎藤知事に対する社説
- 5.1 斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ(朝日新聞)2025年3月29日
- 5.2 斎藤氏の責任 進退が問われている(朝日新聞)2025年5月29日
- 5.3 兵庫知事の疑惑認定 反省の色も見せぬ無責任(毎日新聞)2025年3月12日
- 5.4 「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか(毎日新聞)2025年3月29日
- 5.5 兵庫県知事 「違法」の責任を直視せよ(産経新聞)2025年3月29日
- 5.6 兵庫県の情報漏洩 斎藤知事は進退の判断を(産経新聞)2025年5月29日
- 5.7 兵庫百条委報告 知事は責任の重大さ自覚せよ(読売新聞)2025年3月6日
- 5.8 兵庫第三者委 知事の資質欠如は明らかだ(読売新聞)2025年3月20日
- 5.9 斎藤知事は百条委報告に向き合え(日本経済新聞)2025年3月7日
- 5.10 兵庫県は告発者の処分撤回を(日本経済新聞)2025年4月17日
- 5.11 斎藤兵庫県知事 自ら進退決するべきだ(東京新聞)2025年4月3日
- 6 地方紙の斎藤知事に対する社説
斎藤信者は偏向報道だと言うが
BPO | 放送倫理・番組向上機構
放送倫理とは、放送が社会的な使命を果たす上で守るべき規範であり、放送倫理・番組向上機構(BPO)が中心となって検証・啓発しています。BPOは、NHKと民放連によって設立された第三者機関で、視聴者からの苦情を受け付け、放送倫理上の問題を検証し、改善策を勧告します。主な活動内容には、放送倫理検証委員会の活動、放送と人権等権利に関する委員会の活動、放送と青少年に関する委員会の活動などがあります。
新聞倫理綱領
新聞各社は新聞協会の倫理綱領にある通り、国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。この権利は、言論・表現の自由のもと、高い倫理意識を備え、あらゆる権力から独立したメディアが存在して初めて保障される。新聞はそれにもっともふさわしい担い手であり続けたい。
おびただしい量の情報が飛びかう社会では、なにが真実か、どれを選ぶべきか、的確で迅速な判断が強く求められている。新聞の責務は、正確で公正な記事と責任ある論評によってこうした要望にこたえ、公共的、文化的使命を果たすことである。
編集、制作、広告、販売などすべての新聞人は、その責務をまっとうするため、また読者との信頼関係をゆるぎないものにするため、言論・表現の自由を守り抜くと同時に、自らを厳しく律し、品格を重んじなければならない。
「SNSにこそ真実がある」という考え方の危険性
SNSは投稿のハードルが低いため、裏付けのない情報やデマでも一瞬で拡散されます。
新聞やテレビと違い編集部のチェック機能がなく、「誰かが言っていた」がそのまま事実のように扱われやすいのがリスクです。
自分と同じ意見の人の投稿だけが目に入りやすくなり、偏った世界観が「真実」だと錯覚しやすくなります。結果として、他の立場や事実を受け入れにくくなり、社会の分断が深まります。
SNSの仕組みは「正確さ」よりも「反応されやすさ(いいね・シェア)」を重視して表示を決めます。
そのため、煽情的・極端な投稿ほど目立ち、穏健で正確な情報が埋もれてしまいます。
SNS投稿は匿名性も高く、誤情報を流しても責任を取らないケースが大半です。そのため「責任を持つ報道」と比べて信頼性が低く、法的トラブルや社会的混乱を招きやすいのです。
情報の信頼性を自ら放棄している
SNSは誰でも自由に投稿できる場なので、裏付けのない噂や誤解、意図的なデマも多く流れています。
それを確認もせずに鵜呑みにして発信すると、「自分は一次情報を調べる能力も、批判的に考える力もない人だ」と周囲に示すことになります。
知的水準や判断力を疑われる
社会人や大人であれば、新聞・書籍・公式資料など複数の情報源を突き合わせて判断するのが基本です。
SNS情報に依存すると、「楽な方に流れて深く考えない人」「都合の良い情報だけを信じる人」という印象を与え、知的信用を失います。
発信者としての責任を放棄している
情報を発信する以上、それを見た人に影響を与える責任が伴います。
根拠を示せず「SNSで見たから」と言ってしまうのは、責任ある発信者として極めて軽率で、他人の信頼を簡単に裏切る行為です。
簡単に「恥をかく」具体例
デマを拡散して後から訂正され、赤っ恥をかく
根拠を問われても「SNSで見た」としか言えず、議論に参加できない
誤情報を拡散したことで人を傷つけたり、法的責任を問われる可能性すらある
全国紙の斎藤知事に対する社説
斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ(朝日新聞)2025年3月29日
報告書を「真摯(しんし)に受け止める」と繰り返しながら実質的に拒否する姿勢は、もはや独善と言っても過言ではない。斎藤氏こそが「知事として失格」と言うほかないだろう。(斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ)
斎藤氏の責任 進退が問われている(朝日新聞)2025年5月29日
知事とともに県民を代表する県議会の役割が再び試されている。斎藤氏の再選後は慎重な姿勢が目立つが、毅然(きぜん)と対応すべきだ。(斎藤氏の責任 進退が問われている)
兵庫知事の疑惑認定 反省の色も見せぬ無責任(毎日新聞)2025年3月12日
知事は一連の対応を「適切だった」と強弁し、責任を認めようとしない。これでは県政の混乱を収束させることは到底できまい。(兵庫知事の疑惑認定 反省の色も見せぬ無責任)
「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか(毎日新聞)2025年3月29日
違法性を認め、元県民局長の処分は撤回すべきだ。さもなければ知事の任に値するとは言えない。(「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか)
兵庫県知事 「違法」の責任を直視せよ(産経新聞)2025年3月29日
第三者委の報告書は「パワハラをなくし、公益通報者を保護する体制を築く自浄力」を県に求めた。議会は斎藤氏に責任の取り方を具体的に示すよう強く促すべきだ。うやむやなままでは県政を前に進められない。(兵庫県知事 「違法」の責任を直視せよ)
兵庫県の情報漏洩 斎藤知事は進退の判断を(産経新聞)2025年5月29日
県議会には今回の指摘を踏まえた関係者聴取などで斎藤氏を厳しく追及する責務がある。自浄能力がなければ地方自治を担えないと銘記してほしい。(兵庫県の情報漏洩 斎藤知事は進退の判断を)
兵庫百条委報告 知事は責任の重大さ自覚せよ(読売新聞)2025年3月6日
兵庫県では、斎藤氏を陥れた「黒幕」だとSNSなどで中傷された百条委の前県議も死亡した。自殺とみられる。県政の混乱が1年に及び、死者が相次ぐ状況は、異常だとしか言いようがない。(兵庫百条委報告 知事は責任の重大さ自覚せよ)
兵庫第三者委 知事の資質欠如は明らかだ(読売新聞)2025年3月20日
兵庫県では、斎藤氏を陥れた「黒幕」だとSNSなどで中傷された百条委の前県議も死亡した。自殺とみられる。県政の混乱が1年に及び、死者が相次ぐ状況は、異常だとしか言いようがない。(兵庫第三者委 知事の資質欠如は明らかだ)
斎藤知事は百条委報告に向き合え(日本経済新聞)2025年3月7日
知事は先の知事選で信任を得たが、報告書は「兵庫県の混乱と分断は、いま、憂うべき状態にある」と懸念を示している。どうすれば県民の信頼を取り戻し、県政を正常化できるのか。しっかり考えてほしい。(斎藤知事は百条委報告に向き合え)
兵庫県は告発者の処分撤回を(日本経済新聞)2025年4月17日
昨年11月の知事選で信任を得てはいるが、百条委や第三者委の結論が出る前の民意である。知事が自ら信を問わないなら、県議会が再び知事の不信任を決議し、辞職か議会の解散かの選択を迫るべきだろう。(兵庫県は告発者の処分撤回を)
斎藤兵庫県知事 自ら進退決するべきだ(東京新聞)2025年4月3日
一連の問題では元県民局長と元百条委委員が自殺とみられる形で亡くなった。自らの振る舞いと関わる形で人命が失われた重みを理解できないなら、県民の代表たる資格があるとは到底言えない。(斎藤兵庫県知事 自ら進退決するべきだ)
地方紙の斎藤知事に対する社説
第三者委報告書/知事は非を認めるべきだ(神戸新聞)2025年3月20日
報告書を受け、知事は「重く受け止めている」としつつ、「告発文書は誹謗(ひぼう)中傷性が高い」と従来の主張を繰り返した。文書問題に端を発した混乱は1年に及ぶ。県政の停滞で影響を受けるのは県民だ。第三者委の結論に、知事として真摯(しんし)に向き合わねばならない。(第三者委報告書/知事は非を認めるべきだ)
斎藤知事/責任認めて自ら進退の決断を(神戸新聞)2025年6月13日
公益通報者保護法の解釈を巡っても、法による保護の対象は内部通報に限定されるとの発言が、所管する消費者庁から「公式見解とは異なる」と指摘を受けた。これに対しても「一般的な法解釈のアドバイス」と正面から向き合おうとしない。(斎藤知事/責任認めて自ら進退の決断を)
兵庫百条委報告書 知事の開き直り、目に余る(中国新聞)2025年3月7日
知事と議会は二元代表制の下、共に住民を代表している。対等の立場で議会が知事の行政執行を監視するのは本来の姿だ。「知事には何を言っても無駄」と、県議から諦めの声が漏れるのは異常である。報告書の総括にあるように、県政の混乱と分断が憂うべき状態にあることを、斎藤氏は真摯(しんし)に受け止めなければならない。(兵庫百条委報告書 知事の開き直り、目に余る)
兵庫知事「漏えい指示」 自ら進退を決するべきだ(中国新聞)2025年5月29日
斎藤氏は、出直し知事選でPR会社に金銭を支払ったことが買収に当たるとして県警などに告発されている。これだけの疑惑や不祥事を抱える時点で知事の適性を欠くのは明らかで、県政を担うのは到底無理だ。職員の退職も増えているという。自ら進退を決するべきだ。(兵庫知事「漏えい指示」 自ら進退を決するべきだ)
兵庫県知事 「漏えい指示」責任重大だ(北海道新聞)2025年5月29日
地方自治体の首長と議会議員は別々の選挙で選ばれる。権力分立の工夫である。知事の専横が止まらない事態をこのまま容認すれば、自治のあり方として極めて深刻だ。(兵庫県知事 「漏えい指示」責任重大だ)
兵庫百条委報告 知事の告発つぶし指摘(京都新聞)2025年3月6日
斎藤氏はなおも「対応は適切だった」とし、県が設けた第三者委員会の調査を待つというが、県政の混乱を招いた責任は免れまい。(兵庫百条委報告 知事の告発つぶし指摘)