斎藤知事には選択肢があった

2025年9月2日

目次

告発文書を公益通報と認識出来ていなかったとしても

斎藤信者は、「告発文書が一般人から手渡されたので、公益通報とどうやって認識するのか?」と言いますが、斎藤知事が「公益通報だと認識できなかった」としても、対応の選択肢はいくつもありました。

兵庫県の内部告発文書問題これまでの経緯(出典:朝日新聞)

斎藤知事が選択出来た選択肢

告発文書が届いた時点での斎藤知事の選択肢

全く事実無根なので無視する

3月27日の会見で知事が言ったように本当に「事実無根で嘘八百」なのであれば、無視する選択肢がありました。全く根拠の無い怪文書なら時間が経てば沈静化するので、無視して放置することは可能でした。

記載内容に「公益通報に当たる可能性のある事実」や「違法行為の具体的疑い」が含まれるなら、最低限の真偽確認を行う責務は生じます。

外部機関との連携の選択肢

消費者庁や総務省に照会

公益通報者保護法の主管官庁(消費者庁)や地方自治を所管する総務省に、「公益通報に該当するか」の見解を求める。

第三者委員会への速やかな付託

自らの判断に頼らず、独立性のある第三者委員会に調査を依頼しておけば「判断の誤り」を回避できた。

告発者を徹底的に探し出して報復する

これは法的にもダメな行為で、公益通報とは認識出来ていなくても、不利益取り扱いになります。

「怪文書」と決めつけて対応した場合、

  • 調査義務を果たさなかった
  • 通報者を不当に扱った

と評価され、違法性を問われるリスクが高まります。(採用)

公開パワハラ会見の選択肢

2024年3月27日の会見での「嘘八百、公務員失格」と斎藤知事は発言しましたが、その他の選択肢は無かったのか?

事実関係の精査を優先する姿勢を示す

「現在事実関係を調査中であり、確認でき次第報告する」といった立場を取れば、過度に断定せず、県民や職員に説明責任を果たす姿勢を示せました。この発言をしていれば、大問題には発展しなかった。

公益通報の可能性に配慮する

内容が虚偽か不明であっても、「公益通報の趣旨かもしれないので、手続きを踏んで確認する」と述べれば、後に公益通報者保護法との齟齬が生じなかったはずです。

嘘八百、公務員失格と貶める

「事実無根の内容が多々含まれており、職員の信用失墜や名誉毀損など法的課題がある」、また事実無根の内容である事を「本人もそれを認めている」と主張し、「業務時間中なのに嘘八百含めて文書を作って流す行為は、公務員としては失格。と発言。(採用)

県警本部に公益性があり、立件は難しいと言われた時の選択肢

行政内部での対応

内部監査部門・コンプライアンス室に回付

公務員の不正や組織内の不祥事に関する疑いであれば、警察で立件できなくても行政内部で調査を継続可能。

公益通報窓口での取扱い

公益通報者保護法に沿って「内部通報」として取り扱うことができた。握り潰すのではなく、一次調査を経て外部専門家を入れる流れが本来望ましい。

外部調査の活用

第三者委員会の設置

警察が刑事事件化できなくても、「県の組織的な不正の有無」を調べる役割を担うことができた。

弁護士会・会計士など専門職による独立調査

県と直接利害関係のない弁護士や専門家に依頼すれば、公正性が担保された。

上位機関・他機関への通報

消費者庁や総務省などの監督官庁に通報

公益通報者保護法の観点で「外部通報」も可能。

県議会へ報告

百条委員会のように、議会による調査の道を開くことができた。

県警本部の判断を無視する

県警本部が公益性があると言っても、事実無根、嘘八百に凝り固まって突き進む。

この時点ですでに結論ありきの対応をしていることが分かります。(採用)

告発文書について県の特別弁護士の藤原弁護士に相談したがその他の選択肢

第三者性のある弁護士に相談する

  • 県と直接的な利害関係を持たない弁護士(例:兵庫県弁護士会が推薦する弁護士)に依頼する。
  • 「県の案件を多く扱っている弁護士」ではなく、「独立した立場の弁護士」を選ぶことで、公平性や信頼性を担保できた。

弁護士会の公益相談制度を活用

  • 弁護士会には、公益性が絡む案件について中立的に相談を受ける制度がある。
  • 斎藤知事個人ではなく「県知事としての立場」で相談すれば、弁護士会から公平なアドバイスを得られた可能性がある。

第三者委員会を設置して対応を諮問

  • いきなり特定の弁護士に相談するのではなく、まず「事案の性質を確認する中立委員会」を立ち上げ、そこで検討する。
  • 公益通報者保護法に関連するか、内部統制違反に当たるかを調査し、そのうえで法的助言を得る体制を整えるべきだった。

県から依頼されている立場の弁護士に相談

県からの法律相談に乗る特別弁護士を務めている藤原弁護士に依頼。広く県民から納得されるような「客観性はない」(出典:産経新聞)と認めた。(採用)

男性が県の公益通報窓口に通報したため、処分はその調査結果を待ってからにした方がよいと斎藤氏に進言したと証言。しかし、「知事から風向きを変えたいという話があった」と処分を先行した経緯を説明し、「この騒がしい状況を早くしずめたいという思いが(斎藤氏に)あったと推察している」と述べた。

https://www.sankei.com/article/20241123-QGC7SL3R3RO6VF64OZG66XQHXA(出典:産経新聞)

選んではいけない選択肢を選び続けた

斎藤知事には、様々な選択肢があり、初動の選択ミスがあっても軌道修正することは可能だったと思われますが、他の選択肢を考えることも無く、ひたすら告発者潰しに走っていることがとても印象的です。

もしも他人から「ドロボーだ!」と言われたら

もしも、全く知らない人から突然「この人はドロボーだ!」と言われたとしたら、どうするでしょう。自分が全く事実無根なら「警察へ行きましょう」と言って警察で公正な捜査をしてもらえば、嫌疑は晴れるはずなので、冷静に警察へ行くでしょう。

事実無根なのに「ドロボー」と言われて、その人に襲い掛かって、ボコボコにすることは絶対に無いことです。

しかし、斎藤知事は「事実無根、嘘八百」と発言しながら、元県民局長をボコボコにしたのと同然なのです。

これは一般的な感覚からするとあり得ない対応です。事実無根なら「出るところへ出て、判断してもらおう」と言うのが普通の判断です。

告発文書で痛い所を突かれた

あくまでも推測の域を出ない考えではありますが、告発文書は「事実無根、嘘八百」では無く、斎藤知事にとって「痛い所を突かれた」文書であって、問題が炎上する前にもみ消したいと言う意識が強く働いたと考えるのが自然なのではないかと思います。

組織のトップは常に最良の選択を迫られる役職

組織のトップと言うのは、常に想定外の問題に直面し、そのつど最良の選択をし続けることが出来るリーダーが優秀なリーダーです。

また、最初の選択に誤りがあれば、その誤りを認めて、軌道修正することもリーダーに求められる能力です。

県知事として最良の選択が出来ず、選択を間違って、フィードバックが何回もあったのに軌道修正しない知事に県政を担っていくことは難しいと考えるのが一般的な考えなのではないかと思います。