【兵庫県知事の虚偽発言】記者クラブが公式の場で否定 第三者委員会報告への答弁の信憑性も崩壊へ

記者クラブが公式会見で「そんな話し合いは無い」と否定

2025年11月4日に行われた兵庫県の定例記者会見で、斎藤元彦知事は10月24日の会見中止について、

「県議や神戸市、学校から要請があった。24日に記者クラブさんが話し合いをして決めた」
と発言しました。

しかし、その直後に幹事社の記者が、県庁公式ライブ配信中に

「24日に記者クラブが総会や話し合いをした事実はありません」
と明確に否定。

このやり取りは兵庫県の公式チャンネルで全県民に公開されており、知事の説明が虚偽であったことが公式の映像で確認されたという、極めて異例の事態となりました。

この構図が意味すること

「印象操作」よりも明確な「虚偽発言」の可能性

知事は「記者クラブが決めた」と明言し、その発言を受けて幹事社が即座に「その事実はない」と訂正している以上、これは単なる「認識のズレ」ではなく、事実誤認または虚偽説明の域に達しています。

特に記者クラブは行政とは独立した報道機関の集合体であり、会見運営の共催者でもあるため、その代表が公式のライブ配信中に知事発言を否定したというのは、極めて異例かつ重大です。

今回の会見が示した構図

立場発言内容根拠
知事「記者クラブが24日に話し合って決めた」中止はクラブ判断同会見ライブ配信で明言
幹事社「そのような話し合い・総会はなかった」中止決定はクラブではない同会見ライブ配信で明言
評価虚偽説明 or 情報誤伝達いずれにせよ説明責任不足公的映像記録によって確認

「虚偽発言」はこれまでの説明全体の信頼を崩壊させる

斎藤知事は、元県民局長による私的情報漏洩問題について、第三者委員会(裁判官経験者を含む複数の弁護士の法律専門家)が

「知事の指示の可能性が極めて高い」と認定したにもかかわらず、「指示した認識は無い」と発言しています。

また、公益通報者保護法違反の指摘に対しても、

「初動の対応から懲戒処分まで、適正・適切・適法に対応した」と主張しています。

しかし今回の虚偽発言によって、これら一連の「否定」や「正当化」も、自己防衛のための虚偽説明であった可能性が極めて高いと見られるようになりました。

行政トップが公的な場で虚偽を述べた時点で、そもそも「県民が知事を信頼できるかどうか」という根本的な問題が浮き彫りとなったのです。

一貫した行動パターンの可視化

今回の件は孤立した事象ではなく、以下のような一連のパターンと整合しています。

事象第三者の評価・認定知事の対応
県民局長の私的情報の県議への情報漏洩「知事の指示の可能性が極めて高い」「指示した認識は無い」
公益通報者保護法違反「保護法違反である」と明確に指摘「適正、適切、適法に対応」
パワハラ10件認定第三者委員会で正式認定「襟を正す」「処分不要」
はばタンPay+情報漏洩県の管理下で発生「業者の責任」「自分の責任ではない」
記者クラブ会見中止実際は県が中止「記者クラブが決めた」→虚偽確定

このように、**「不都合な事実が出ると、第三者や部下に責任を転嫁する」**という行動が一貫しています。
そのパターンが公式映像によって可視化されたことで、疑念は確信へと変わりました。

災害時の情報発信も信用できない危機的状況

政治家の発言の信頼性は、災害対応における最も重要な要素の一つです。
知事が自らの保身や印象操作のために事実と異なる説明を行うようであれば、今後、災害や重大事故の発生時に

「知事の説明を信じてよいのか?」と県民が疑念を抱き、避難や指示伝達が遅れる恐れがあります。

これは単なる政治的問題ではなく、県民の生命・安全に関わるガバナンス上の致命的欠陥です。

県政広報と報道機関の信頼関係の崩壊

定例記者会見は「県政記者クラブ」と「県庁広報広聴課」の共催で行われています。
その共催相手を「責任転嫁の材料」として利用した形となった今回の発言は、報道との信頼関係を破壊し、県政全体の透明性を失わせる結果を招いています。

元々、斎藤知事の定例会見の発言は疑わしいものが多かったのですが、今回の発言で、都合の悪いことは嘘を付くことが明確になりました。

本来、行政と報道は緊張関係のもとで県民の知る権利を守るべき立場ですが、知事自身がそのルールを破壊する発言を行ったことで、今後の会見の成立そのものにも影響を与える可能性があります。

信頼回復には「説明責任」と「訂正」が不可欠

今回の件で問われているのは、単に「言葉の誤り」ではありません。
県政運営の根幹である「説明責任」と「事実の尊重」が、知事本人によって踏みにじられたという点にあります。

斎藤知事が本当に誤解に基づく発言だったとするなら、速やかに訂正と謝罪を行い、経緯を明らかにする必要があります。
そうでなければ、今後の発言や政策発表のすべてが、「また事実と違うのではないか」と疑われる状態が続くでしょう。

説明責任の欠如は“統治能力の危機”

斎藤知事の「記者クラブが決めた」という虚偽説明は、行政トップとしての信頼を決定的に損なう行為です。

「指示の認識は無い」「適法に対応」など、これまでの説明の信憑性も一気に崩壊。

自分に都合の悪い状況で平然と虚偽を述べる人物が県知事である限り、災害時の指示も、危機対応の説明も信用できません。

これは単なる“失言”ではなく、兵庫県政の統治能力を揺るがす深刻な危機です。