「ふくまろネットニュースチャンネル」は公職選挙法違反か?──選挙ボランティアと広告収入の“利益供与”構図を検証

2025年10月18日

兵庫県の斎藤元彦知事の選挙運動に深く関わっていたとされるYouTubeチャンネル「ふくまろネットニュースチャンネル」。
このチャンネルは、選挙期間中に斎藤氏の演説や活動を撮影・配信し、YouTube広告収入を得ていたとされています。

また、知事当選後も公務(会議・視察など)に同行し、動画を公開していたことから、10月14日の定例記者会見で選挙ウォッチャーちだいさんから疑問の声が上がりました。
知事は明確な回答を避け、以後チャンネルは視察動画の公開を停止。
この対応から「何か疚しいことがあるのでは」との指摘も出ています。

本記事では、この問題が**公職選挙法違反(報酬・利益供与)**に該当する可能性を、法的に整理します。


公職選挙法が禁じる「報酬・利益供与」とは

公職選挙法第221条では、

買収及び事後買収罪)金銭、物品、供応接待などによる票の獲得や誘導を行うことです。金銭などを実際に渡さなくても、約束するだけでも違反となる。

と明記されています。

「報酬」には、金銭だけでなく**経済的利益(広告収益・便宜供与・優遇など)**も含まれると解釈されます。
つまり、候補者の支援活動を通じて間接的に収益を得る構図も、実質的な報酬と判断される可能性があるのです。


YouTube広告収入は「報酬」にあたるのか

YouTubeの広告収入は、チャンネル運営者がGoogleから受け取る実際の金銭的利益です。
そのため、選挙運動の一環として動画を配信し、その視聴数に応じて収益を得ていた場合、
選挙活動の対価(報酬)を受け取っていたとみなされる可能性があります。

さらに、候補者本人や陣営がこの配信を認識・黙認していた場合、
報酬を得ることを容認した=利益供与を行ったとの評価を受けるリスクもあります。


当選後の「同行配信」と公私混同の疑い

問題は選挙期間中だけに留まりません。
当選後も「ふくまろネットニュースチャンネル」は、斎藤知事の会議・視察に同行して撮影を続けていました。

もしこの同行が知事や県職員の許可・便宜によって行われ、継続的に広告収益が発生していたならば、
「過去の選挙支援への見返り(利益供与)」または「公務を私的ビジネスに利用した行為」とみなされる可能性があります。

これは**公職選挙法の趣旨(政治と金の分離)**にも反し、政治倫理上の重大な問題です。


記者会見後に配信停止──その意味

10月14日の定例記者会見でこの件を指摘された直後、
「ふくまろネットニュースチャンネル」は知事の視察動画の配信を止めています。

これは少なくとも、

  • 「問題があると認識した」
  • 「知事側との関係を見直した」
    という意識の表れとも受け取れます。

一方で、指摘を受けて急に停止したという事実自体が、
「それまでの活動に説明できない部分があったのではないか」という疑念を強めています。


「ふくまろネットニュースチャンネル」が報道機関なのか選挙運動者なのかが問題

【新疑惑】斎藤元彦「広報」ふくまろニュースに公選法疑惑指摘!「選挙運動者」の「買収」か!?弁護士解説「違法」の境界は!

ここまでのまとめ

「ふくまろネットニュースチャンネル」が選挙運動者として斎藤知事の選挙運動を支援し、広告収入を得ていた場合、
公職選挙法第221条(買収及び事後買収罪)違反に該当する可能性がある。

また、当選後も知事同行で配信を続けていた場合は、
利益供与や公私混同の疑いが生じ、倫理的にも重大な問題です。

政治家が「ボランティア」と「商業的収益」の線引きを誤れば、
それは単なる違法行為を超え、政治への信頼を損なう行為につながります。

斎藤知事「ふくまろネットニュース」は許可済み? 公務同行YouTube配信と広告収入の関係を検証

兵庫県の斎藤元彦知事に密着し、選挙期間中から現在まで動画を配信してきた「ふくまろネットニュースチャンネル」。
知事の演説や視察、公務の様子を詳細に撮影・投稿してきましたが、10月14日の定例記者会見でその運営実態について質問を受けた直後から、新たな配信が止まっています。

一体この背景には何があるのでしょうか。
ここでは「許可の有無」と「広告収入の問題」に焦点をあて、事実関係と法的・倫理的な論点を整理します。


ふくまろネットニュースは斎藤知事の「公務」に同行していた

ふくまろネットニュースチャンネルでは、選挙演説だけでなく、知事当選後も各地の視察や会議の様子を配信していました。
動画を確認すると、

  • 知事の移動中の会話
  • 非公開エリアでの現場説明
  • 知事が参加する会議室内の撮影

など、一般報道機関でも制限される場面が多数含まれています。

これらは県のスケジュール管理下にある「公務」であり、同行・撮影には必ず県の広報課または秘書課による事前許可が必要です。
したがって、無許可で撮影・配信していたとは考えにくく、知事または県側の承認・黙認があったと見るのが自然です。


YouTube広告収入との関係 ― 公務を利用した私的収益化の疑い

問題視されたのは、チャンネルがYouTubeの収益化対象である点です。
公務を撮影し、その映像で広告収入を得ていた場合、

  • 「公務=公共財」
  • 「広告収入=私的利益」
    という構図が成り立ちます。

もし知事の許可を得て同行・撮影していたのであれば、
知事が自身の公務を通じて第三者の収益活動を間接的に容認していたことになります。
これは「公的リソースの私的利用」とも受け取られかねません。


記者会見での質問と、その後の「沈黙」

10月14日の定例記者会見では、記者から

「ふくまろネットニュースは知事の公務に同行し、広告収入を得ているのでは?」

という質問が選挙ウォッチーちだいさんから出されました。
しかし斎藤知事は「適宜適切に対応している」と述べ、明確な説明を避けました。

するとその直後、チャンネルは突如として新規の知事関連動画を公開しなくなります。
このタイミングの一致は偶然とは言い難く、
県側が「非公式な指導」を行ったか、運営側が「批判回避のために自主的に停止」した可能性が高いと見られます。


「無許可で撮っていた」は通らない ― 許可・黙認の責任はどこに?

公務同行の映像を撮影・公開するには、必ず県側の管理下での調整が必要です。
したがって、仮に県や知事が「無関係」と主張しても、

  • 撮影許可を誰が出したのか
  • 同行の際に職員の立ち会いがあったか
  • 動画内容の事前確認は行われていたか

など、許可・黙認の責任範囲を明らかにする必要があります。

もし正式な取材申請なしで同行していたなら、それ自体が「管理の不備」。
逆に許可していたなら「公務を利用した特定民間の利益供与」という問題に発展します。


透明性が欠けたままでは、県政への信頼が揺らぐ

ふくまろネットニュースの活動が「許可された取材」だったのか、
「特定関係者による便宜提供」だったのか、現時点では明らかになっていません。

しかし、疑惑を払拭する最も簡単な方法は、

  • 県側が「撮影許可の経緯」を公表すること
  • チャンネル側が「収益の有無と運営方針」を説明すること

この2点です。

公務の透明性こそが県政への信頼を支える基盤です。
もし説明を避け続けるなら、
「説明できない関係があった」と受け取られても仕方がないでしょう。


【まとめ】

「ふくまろネットニュースチャンネル」が無許可で撮影していたとは考えにくい。
県側の黙認・承認があったとすれば、公務を利用した民間収益活動の可能性があり、
その透明性の欠如こそが今問われています。

この問題は、斎藤知事の遵法意識の低さと公私混同が頻発する状態を如実に示しています。