瀬戸内の牡蠣大量死 ― 広島と兵庫で、なぜ対応はここまで違うのか

2025年12月22日

瀬戸内海で相次ぐ牡蠣の大量死。
気候変動や高水温など、生産者の努力では避けられない不可抗力によって、各地の養殖業者は深刻な危機に直面しています。

こうした中、広島県と兵庫県の対応の違いが、あまりにも対照的であることが浮き彫りになってきました。

広島県の対応|「生産の再建」に真正面から向き合う

広島県は、牡蠣の大量死を産業基盤そのものの危機と捉え、明確に「再生産」を支える施策を打ち出しました。

主な支援内容

  • 再養殖のためのいかだ再建費用を2分の1補助
    • いかだ1台あたり上限50万円
    • 対象は約4,000台
  • 総額 約20億円 を一般会計補正予算に計上
  • 財源は国の「物価高対応重点支援地方交付金」
  • 融資利子補給など、当面の資金繰り支援に留まらない判断

広島県は、「融資や利子補給だけでは、生産量は維持できない」と明言しました。
つまり、生き残らせるのではなく、再び育てられる環境をつくるという判断です。

「カキ大量死の広島県、20億円で養殖業者支援 いかだを組む費用補助」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d76caef2db3f9cb678ca217bc228d94becf72d4(出典:朝日新聞 2025年12月13日)

市町レベルでも一貫した姿勢|東広島市・瀬戸内市

東広島市(安芸津町)

  • 高水温等の影響で 水揚げした牡蠣の9割が死亡
  • ガバメントクラウドファンディング(ふるさと納税)を活用
  • 寄附金の使途を明確化
    • 牡蠣養殖業者への復興経費支援
    • 海洋環境改善の調査研究・対策

瀬戸内市

  • 「返礼品なし・全額寄附」のふるさと納税
  • 手数料を除いた全額を牡蠣事業者へ直接支援
  • 漁協組合長と状況・要望を確認した上での迅速な立ち上げ

👉 共通点は明確です
「誰が困っていて、何に使うのか」が県民にも見える施策になっています。

https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/soshiki/sangyo/12/5/44333.html

兵庫県の「牡蠣応援プロジェクト」|支援の矛先はどこへ?

一方、兵庫県の牡蠣応援プロジェクトは、次のような内容です。

「播磨灘の牡蠣を応援するため、
フィールドパビリオン等の観光コンテンツの磨き上げを行う」

重要な注記

  • ふるさと納税の寄附金は
    生産者に直接支払われない
  • 寄附金の使途は 県の観光施策
  • 生産者支援は「別途予算措置」と説明(詳細は不透明)

https://web.pref.hyogo.lg.jp/nk16/r7kakiouennpjkifu.html

「牡蠣応援」と「観光磨き上げ」は、本当に同じ方向を向いているのか

ここで多くの県民が抱く疑問は、極めてシンプルです。

  • 牡蠣が大量死している今、
  • 養殖業者が「次の牡蠣を育てられるかどうか」の瀬戸際にいる今、

なぜ優先されるのが「観光コンテンツの磨き上げ」なのか?

フィールドパビリオンという文脈を無視できない

兵庫県が力を入れてきた「フィールドパビリオン」は、

  • 万博関連で 約45億円規模の投資
  • 一部地域からは
    • 「期待されたほど誘客効果が出ていない」
    • 「万博期間中の集客が前年割れ」との声も出ている

つまり今、投資対効果の検証が求められている事業でもあります。

その中で、

  • 「牡蠣応援」を掲げながら
  • 実質的にはフィールドパビリオンの磨き上げに資金を充てる

この構図に、違和感を覚える県民が増えているのは自然なことです。斎藤知事は、自身の肝いり政策の失敗を絶対に認めたく無く、自分を正当化するために、明らかに変な文脈で支援策を行っていると感じられることです。

目的と手段の整合性が取れない

整理すると、兵庫県の施策は次のように見えてしまいます。

  • 本来の目的:
    気候変動で打撃を受けた牡蠣養殖業者の再生
  • 実際の手段:
    観光施策(フィールドパビリオン)への資金投入

このズレは、

  • 生産者にとっても
  • 寄附をする他県民にとっても
    納得しにくいものです。

「失敗を認めない政治」が、支援を歪めていないか

斎藤知事が肝いりで進めてきたフィールドパビリオン。
もし期待した成果が出ていないのであれば、本来は

  • 立ち止まって検証する
  • 優先順位を見直す

ことが求められます。

しかし、

  • 「牡蠣応援」という名目で
  • 観光施策への追加投資を行うのであれば、

それは本当に困っている現場よりも、政策の体面を守る判断と受け取られても仕方がありません。

  • 政策は失敗することがある
  • 想定通りに成果が出ないこともある

それ自体は、どの行政でも起こり得ます。

しかし、

  • 失敗や限界を一度立ち止まって検証するのか
  • それとも別の名目で継続するのか

ここに、政治の姿勢が表れます。

県民が求めているのは「説明」と「優先順位」

多くの県民が求めているのは、

  • なぜこの方法を選んだのか
  • 生産者支援は、いつ・どの規模で行われるのか
  • 観光施策と生活支援の優先順位はどう考えているのか

これらを、県民が理解できる言葉で説明することです。

今、求められているのは「誠実な支援」

牡蠣養殖業者が求めているのは、

  • 派手なPRでも
  • 観光パンフレットの刷新でもありません。

次の牡蠣を育てられるかどうか。
その一点です。

広島県や市町が示したように、

  • 再養殖への直接支援
  • 使途が明確な支援

は、十分に可能です。

兵庫県にも、
目的に立ち返った誠実な施策の見直しが強く求められています。

多くの人が共有できる考え方があります。

政治は、意図ではなく結果で評価される

今回の対応が、

  • 本当に牡蠣養殖業者の再生につながるのか
  • 県民の生活を守る結果になるのか

斎藤知事は誰のために政治をしているのか、県民ファーストでは無く、自分ファーストなのでは無いか?今まさに問われています。

「県民ファースト」と「レガシー志向」の違いが、結果に表れていないか

一般に、県知事という立場に求められるのは、まず県民の生活を最優先にした施策を行い、その結果として支持を得ることです。

これは、支持者・非支持者を問わず、多くの人が共有できる考え方ではないでしょうか。

本来あるべき政策の順序

本来、県政の施策は次のような順序で評価されます。

  1. 県民が直面している課題は何か
  2. 今、最も困っているのは誰か
  3. 限られた予算を、どこに優先的に使うべきか
  4. その結果、県民の生活は良くなったか

この積み重ねの結果として、「この知事は県民のために仕事をしている」という評価や支持が生まれます。

今回の対応が、別の印象を与えてしまう理由

しかし今回の牡蠣問題への対応を見ると、一部の県民からは、次のような受け止め方が生じています。

  • 牡蠣養殖業者は、不可抗力による深刻な経営危機にある
  • それにもかかわらず、支援の中心が「再生産」ではなく「観光施策」に置かれている
  • しかもその観光施策は、知事自身が強く打ち出してきた政策と重なっている

このため、

「県民のための施策というより、
知事自身がやりたいことが優先されているのではないか」

という印象を持つ人が出てきています。

「やりたい政策」自体が問題なのではない

ここで誤解してはいけないのは、知事が独自の政策やビジョンを持つこと自体は、決して悪いことではないという点です。

  • フィールドパビリオンのような挑戦的な政策
  • 観光振興による地域活性化の試み

こうした取り組みが、将来の成果につながる可能性もあります。

問われているのは「優先順位」と「柔軟さ」

問題にされているのは、政策そのものではなく、

  • 今、それを最優先にする必要があるのか
  • 状況が変わったときに、立ち止まって修正できているのか
  • 県民生活よりも前に出てしまっていないか

という優先順位と姿勢です。

危機の局面では、

「やりたい政策」より
「今、やらなければならない支援」

が優先されるべきだと、多くの県民は感じています。

「レガシー作り」に見えてしまう構造

今回の施策が、

  • 牡蠣応援という名目を使いながら
  • 実際には観光コンテンツの磨き上げに資金が使われる

という形になっていることで、

「無理をしてでも、自分の政策を成果として残したいのではないか」
「レガシーづくりを優先しているように見える」

という受け止め方が生まれています。

これは、意図の問題というより、そう見えてしまう構造になっていることが問題です。

支持は「作るもの」ではなく「結果として生まれるもの」

政治における支持は、

  • 演出や説明で作るものではなく
  • 県民の生活が実際に良くなった結果として生まれるもの

です。

県民ファーストの施策を積み重ねれば、結果として評価や支持は後から付いてきます。

今、県民が求めていること

  • 県民生活を最優先に考えていることが、行動で伝わること
  • 状況に応じて政策の優先順位を見直す柔軟さ
  • 「誰のための施策なのか」が分かる説明

その積み重ねこそが、本当の意味での「知事の実績」になるはずです。

斎藤知事は、違法認定されたり、不適切と指摘されたことも含めて、県民に納得の行く説明をしていません。全てのことについて、県民と向き合う姿勢がありません。