多様な手段で同じ頂上へ ― 斎藤元彦知事打倒に向けた運動のあり方

2025年10月3日

兵庫県庁舎で開かれる斎藤元彦知事の定例記者会見。その場外では、4月以降、文書告発問題をめぐる抗議活動が毎回のように行われ、拡声器を用いた辞職コールが響き渡っている。県は会見場の窓ガラスに防音シートを設置する事態にまで発展し、周辺小学校からも児童への影響を懸念する声が上がった。

こうした状況を背景に、抗議活動のやり方について賛否が出ています。反斎藤派の中からも「近隣住民や通学路に影響を与えてよいのか」という批判がある一方で、現場に立つ参加者は「通行人の反応や注目度」を肌で感じながら、活動していると思います。

多様な手段と共通のゴール

反斎藤の立場からすれば、全員が目指す最終的なゴールは一つ ― 斎藤元彦知事の打倒のはずです。そのための手段は多様にあります。

  • デモや抗議活動に立ち上がる人
  • 駅など人が集まる場所で人々に斎藤元彦知事の問題を語り掛ける人
  • YouTubeで問題点を発信する人
  • X(旧Twitter)で斎藤支持者と議論を交わし直接戦う人
  • 中立的な層にホームページを通じて情報を伝える人
  • 斎藤元彦知事の問題を記載したチラシを作成してポスティングする人

それぞれが異なるルートを進んでいますが、目指す頂上は同じです。まさに「登山において頂上は一つですが、登山ルートは複数ある」のと同じです。

目指す頂上は同じでも、どの登山ルートを選ぶかは、それぞれの登山日程や登山のスキルや自身の体力によって様々です。どのルートで登るかは、それぞれの選択で、自身の技量から判断されたことで、その選択を否定することは出来ないことです。

登山の途中で、登っているルートでは頂上にたどり着かないと思えば、引き返せば良いことです。間違いがあれば、その間違いを認めて改めれば良いのです。

間違いを認めて謝罪や撤回が出来ないのが、斎藤元彦知事なので、それとは違って、間違いは間違いと認めて、軌道修正出来る大人としての高度な対応が出来ることを示すことも反斎藤側が成熟した人たちであることを示すことにもなるでしょう。

斎藤元彦知事を打倒するのにどのルートを通れば最良なのかは誰にも分かりません。

問われるのは「効果の検証」

問題は、こうした行動や発信が本当に斎藤氏に打撃を与えているのかどうかという点です。

単なる感情のはけ口としてSNSで揶揄を繰り返すだけでは、ゴールに近づいているのか疑わしいことがあります。感情のはけ口として、斎藤元彦知事を揶揄しても、相手をからかったり、バカにしたりする意図が含まれることが多いため、発信している人がスッキリするだけで、中立な立場に人が見た時に不快感を感じたり、斎藤信者をかえって結束させることにもなりかねないと、個人的には感じています。

ただ、そのような投稿にも意図があって、有効であれば継続されれば良いと思います。要は何をやっても良いけれど、必ずやったことが有効だったのかどうかを検証し、効果の無い、あるいは、悪い影響があるものは修正することです。

定例会見での抗議活動も、斎藤元彦知事に対する直接的な打撃や、定例会見の動画を見る人に、外で抗議している声が大きく聞こえることで、「こんなに多くの反対する人がいるんだ」と知ってもらう効果もあります。一方で、近隣住民や子供たちへの配慮も必要かも知れませんが、それは現場で戦っている人たちが一番分かっているのではないかと思います。どうするかは現場で戦っている人が決めれば良いし、その決定は尊重されるべきです。

逆に、動画の再生数や検索数の変動、世論調査の傾向など、定量的な指標で影響を測れる活動もあるでしょう。

もちろん、数値化は簡単ではないです。しかし「この行動は打撃になっているのか」「それとも自己満足に終わっていないか」を検証する姿勢は不可欠だと思います。

Xであればリアルタイム検索

Xで仮説と検証する指標として活用できるのは、リアルタイム検索です。キーワードを入れて検索すると、キーワードの「ポジティブ」と「ネガティブ」の比率が表示されます。

Yahoo!検索のリアルタイム検索では、Xに投稿されたポスト(旧称:ツイート)、FacebookやInstagramの投稿をYahoo!検索の「リアルタイム検索」で検索できる仕様になっています。

一つ一つの活動の成果ではありませんが、全体として、良い方向に向かっているのか、盛り返されているのかを把握出来ます。このデータを時系列で捉えて、行っていることが効果があったのか無かったのかを検証することが可能です。

スマホからアクセスする場合はアプリを入れておきましょう。

多様性を否定せず前進を

抗議行動に批判的な意見が出るのも自然なことだと思います。しかし重要なのは、共通のゴールを見失わないことだと思います。

多様な手段が存在するからこそ、多角的に斎藤元彦知事を追及できる。良し悪しを一律に決めつけるのではなく、それぞれが「自分の得意分野でできること」を重ねて、仮説と検証を繰り返していけばよいのではないかと思います。

それぞれの得意分野で、出来ることをすることが斎藤元彦知事を全方位から追いつめることが出来るので、それぞれが出来ることで、行動を起こすことはとても重要です。

頂上を目指す登山のように、ルートの違いを容認し合いながら進むこと。それが、斎藤元彦知事打倒というゴールにもっとも近づく道ではないかと思います。

これは、企業でも良くあることなのですが、敵は社外にあるのに、社内で足を引っ張り合うようなことをするのば、企業としての競争力を削ぐだけの愚かな行為ですが、こんなことはどこでも起こります。このようなことが起こるのは、目指すゴールを見失い、身近に敵を作り出してしまうためです。

決戦は選挙になるとすると、同じ頂上を目指す人を一人でも増やすことがとても重要なのです。スポーツの試合なら、レギュラーになることは出来ない選手ばどんどん切って行けば良いですが、選挙はどんな人でも1票なので、一人一人を大切にしないといけません。

敵は、斎藤元彦知事であり、斎藤信者であって、味方同士で刺し合うことがあってはならない。