消費者庁が公益通報者保護法のパブリックコメントを求めています― 兵庫県の事例から見える制度運用の深刻な課題 ―
国(消費者庁)は現在、改正された公益通報者保護法に基づく指針のパブリックコメントを募集しています。
今回の改正では、通報者への「不利益取扱いの禁止」や「通報妨害の禁止」「通報者探索の禁止」など、制度の実効性を高めるための強化措置が盛り込まれました。
しかし、法制度がどれだけ整備されても、現実の運用において通報者が守られない事例があれば、制度の信頼性は失われ、誰も通報できません。
その象徴的な事例が、兵庫県で起きている、いわゆる「県政の内部告発問題」です。
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=235040014&Mode=0
目次
兵庫県で起きた公益通報者への処分
兵庫県では昨年、公益通報文書を作成・配布したとして、元西播磨県民局長(故人)に対し県が通報者探索の後、懲戒処分を行いました。
しかし今年3月、県が設置した第三者委員会は、この処分について
「違法」「無効」
と明確に指摘しました。
通報者を保護する立場にある行政自身が、通報者を懲戒処分したという重大な問題です。
にもかかわらず、斎藤元彦知事は
「見直すことは考えていない。対応は確定している」
と名誉回復を拒否しました。
この姿勢は、制度の理念を根底から否定するものであり、公益通報制度の信頼を著しく損なうものです。
通報者が「闘えなかった理由」
元県民局長は、生前、百条委員会への書面でこう述べています。
「自分は人事課のOBです。後輩たちを訴えることがどんなにつらいことかご理解いただきたい」
つまり、不服申し立てをしなかったのは「処分が妥当だと思ったから」ではなく、後輩への思いや組織内の圧力の中で、戦う力を奪われていたということです。
公益通報者保護法の改正では、不利益処分に対して刑事罰も規定されましたが、通報者本人が恐怖や精神的負担で声を上げられない場合、
制度が機能したと言えるでしょうか?
制度の信頼性を崩壊させる最大のメッセージとは
今回の兵庫県の対応は、県内外の公務員、学校関係者、企業従業員、多くの現場に対し
「通報したら報復される」
「最後は守られず、人生が奪われる」
という強烈なメッセージを発信しています。
これでは、どれだけ法改正しても現場は変わりません。
制度への信頼を失った社会では、誰も不正を指摘できず、結果として組織は腐敗し、住民や利用者の利益が損なわれます。
パブリックコメントで伝えるべきこと
公益通報制度の本質は「通報者を守ること」であり、それが機能しなければ制度の存在意義はありません。
実際に通報者が報復され、名誉回復もされず、第三者委員会が違法と認定しても是正されない事例がある限り、
国民は怖くて通報することができません。
今回の指針改正に対して求めるべきことは、
- 実際の事例に基づく制度運用の改善
- 違反した行政・企業への強制力ある是正措置
- 通報者支援・救済の仕組みの強化
- 制度の信頼性を保つための監視体制の整備
です。
まとめ
公益通報者保護制度は、民主主義と公正な行政・企業活動を支える最後の砦です。
しかし、兵庫県で起きているように、制度の運用が破壊されてしまえば、国民は危険を感じ、誰も不正を告発できなくなります。
今回のパブリックコメントは、制度を本当の意味で機能させるための重要な機会です。
制度の信頼性を取り戻すために、実効性のある改革が求められています。
パブリックコメントで斎藤知事の対応が実効性を阻害していることを伝えましょう。
以下に、文案を記載します。コピペでは無く、自身の言葉に置き換えて送りましょう。
意見は6000文字までフォームで送信できるので、かなりの長文でもフォームで送信可能ですし、さらに長文の場合は添付ファイルでも送ることが出来ます。
パブコメ文案①
どれだけ法改正を行っても、運用において通報者が守られなければ制度は存在価値を失います。
兵庫県では、通報者探索が行われ、懲戒処分され、通報者は命を絶ちました。第三者委員会が「違法」「無効」と判断したにもかかわらず、名誉回復も行われていません。
処分の撤回や名誉回復について問われた斎藤知事は「見直すことは考えていない。法令上、懲戒処分に不服があれば、ご自身が人事委員会、それから司法の場に行くことが手続きとしてあったが、ご自身としてはされなかった。対応は確定している」と述べた。
元県民局長は生前、一連の問題を調べた県議会調査特別委員会(百条委員会)に対し、懲戒処分に対する不服申し立てをしない理由について「自分は人事課のOBです。後輩たちを訴えることがどんなにつらいことかご理解いただきたい」と書面で説明していました。
この事例からすると公益通報は命懸けですし、公益通報すると通報者の人権が貶められ遺族まで辛い思いをしなければなりません。
このような事例が続く限り、国民は恐怖を感じ、公益通報など決してできません。
兵庫県のような「通報したら人生が終わる社会」では、民主主義も透明性も失われます。
兵庫県の問題が是正されない限り、公益通報者保護法は名ばかりの制度であり、決して通報者は守られないとのイメージを払拭出来ません。
制度の信頼性を取り戻すため、実効性のある通報者保護と是正の仕組みの導入を強く求めます。
パブコメ文案②
公益通報制度は、本来、市民や職員が安心して不正を告発できるようにするための制度です。
しかし、兵庫県の事例では、公益通報者が懲戒処分され、第三者委員会が「違法」「無効」と指摘したにもかかわらず、名誉回復も行われていません。
このような事例が起きている限り、誰も安心して通報できません。
制度があっても守られないのであれば、通報者は声を上げることができず、
不正は永遠に表面化しません。
法を整備するだけでなく、実際に制度が機能しているかを確認し、
是正措置を強化する仕組みが必要です。
国民が安心して通報できる社会を実現するための、
現実に基づく実効性ある改善を求めます。
パブコメ文案③
公益通報者保護制度の強化に賛成します。
しかし制度が実際に機能するためには、以下の点が不可欠です。
▪ 実効的な是正措置の確立
通報者に対する不利益処分や名誉毀損が確認された場合、
行政・企業に対して強制力のある是正・回復措置を設ける必要があります。
▪ 通報者支援制度の強化
心理的負担や組織的圧力により、不服申立てすら困難な事例があります。
独立した支援窓口や代理申請制度の整備を求めます。
▪ 運用の透明性確保
第三者委員会判断が無視される運用を許してはなりません。
兵庫県の事例は、制度の理念と現実との乖離を示しています。
制度を実効的にするため、運用面の改善を強く求めます。
パブコメ文案④
どれだけ法改正を行っても、運用において通報者が守られなければ制度は存在価値を失います。
兵庫県では、公益通報者が懲戒処分され、第三者委員会が「違法」「無効」と判断したにもかかわらず、名誉回復も行われていません。
このような事例が続く限り、国民は恐怖を感じ、公益通報など決してできません。
「通報したら人生が終わる社会」では、民主主義も透明性も失われます。
制度の信頼性を取り戻すため、
実効性のある通報者保護と是正の仕組みの導入を強く求めます。
パブコメ文案⑤:簡易型
公益通報制度の強化に賛成します。しかし実務運用に重大な課題があります。兵庫県では通報者が懲戒処分され、第三者委員会が「違法」「無効」と判断したにもかかわらず名誉回復が行われていません。このような事例がある限り、制度の信頼性は失われ、国民は怖くて通報できません。制度が実際に機能するための是正措置と監視体制の強化を求めます。






