SNSの誹謗中傷を一般論でしか止めようとしない斎藤知事が直面する問題

県議会の調査特別委員会(百条委員会)を務める県議らへの誹謗(ひぼう)中傷が後を絶たない。調査報告書の取りまとめ段階となった今も続いているが、渦中の斎藤知事は踏み込んだ発言はしていない。

「かねて申し上げている通り、SNSによる誹謗中傷はすべきでないと、あらゆるSNSを利用する方にしっかりと伝えていきたいと思っています」こう答えた。

https://www.asahi.com/articles/AST2M1BYGT2MPTIL00GM.html(出典:朝日新聞)

このような誹謗中傷を一般論でしか止めようとしない態度は、学校で「いじめ」があっても、具体的に問題の解決に当たらず、「いじめは止めましょう」と呼びかけるのと同じです。

「いじめはよくない」 と校長や先生が一般論だけを言う

その場では「正しいこと」を言っているように聞こえるが、実際にいじめをしている加害生徒も、いじめられている被害生徒も、何も変わらない。

被害者の立場からすると

 「自分の苦しみは見て見ぬふりをされている」
 「先生は本当に助けてくれる気がない」
と感じ、孤立感や不信感が強まる。

加害者の立場からすると

 「名指しされていないから、自分には関係ない」
 「実際は黙認されている」と受け取り、行為が止まらない。

いじめ」問題を解決するうえで、国と地方の教育行政は積極的な役割を果たすことが重要ですが、斎藤知事の態度は、学校で「いじめ」があっても、積極的に解決に当たらないと宣言しているのも同然です。

斎藤知事がネット上の「いじめ」とも言えるような誹謗中傷に一般論でしか止めようとしない態度は、学校で「いじめ」があっても、学校側が「いじめは止めましょう」と言うだけの対応をしても容認する行為で、兵庫県の学校で「いじめ」があって、被害生徒が〇死して、その親が抗議しても、「対応は適切」と回答する学校を受け入れざるを得ない状況にすると言うことです。

過去の災害時のデマ・誹謗中傷の事例 斎藤知事はこれを放置する

阪神・淡路大震災(1995年)

「外国人が井戸に毒を入れている」「在日外国人が暴動を起こしている」などの根拠のないデマが流布。

実際に警戒のために警察や自警団が動いたケースもあり、差別や偏見を助長した。

東日本大震災(2011年)

「ライオンが動物園から逃げた」などの虚偽情報がSNSやチェーンメールで拡散。

「外国人が避難所で暴行や略奪をしている」という事実無根の噂。

原発事故に関連して「雨に当たると白血病になる」「関東の水道水に致死量の放射能」など、放射能デマが多数拡散。

被災者や避難者に対し「東北から来た人は放射能を持ち込む」といった誹謗中傷や差別的扱い。

熊本地震(2016年)

「動物園からライオンが逃げた」画像付きデマツイートが拡散し、警察が公式に否定。

「朝鮮人が井戸に毒を入れた」という古い差別的デマが再び流布。

避難所での性犯罪や治安悪化に関する虚偽情報も流れ、避難者が不安に。

西日本豪雨(2018年)

「被災地で外国人が略奪をしている」といった誹謗中傷的デマ。

ボランティア活動をする人への根拠のない中傷。

コロナ禍(2020年以降)※災害ではないが「社会的災害」

感染者や医療従事者、その家族への誹謗中傷。

「感染者がわざと外を歩いている」「◯◯病院から感染が広がった」といったデマ。

被災地でのコロナ関連デマと重なり、避難所で差別が強まったケースも。

災害時のリーダーの役割

災害時には、SNSやネットでデマや誹謗中傷が急速に拡散し、被災者の不安を増幅させることがよくあります。
この時、知事のようなリーダーが 「それは誤情報です」「被災者を攻撃するのはやめてください」 と明確に発信することが、被害の拡大を防ぐカギになります。

もし一般論だけを繰り返すと、

  • 「誰も止めてくれない」
  • 「被害者を守る気がない」
    と受け止められ、被災者にさらなる心理的負担を与えてしまいます。

一般論の限界

「SNSの誹謗中傷は良くない」だけでは、

  • 加害側には伝わらない(「自分のことを言っているのではない」と思われる)
  • 被害側は守られない(「結局、黙認されているのでは」と感じる)
    という限界があります。

リーダーは、誰が被害を受けているのかを明示し、直接的に「やめてほしい」と言うことで初めて抑止力を発揮できます。

適切な対応の方向性

適切とされるのは、

  • 誹謗中傷やデマを 具体的に否定 すること
  • 被害を受けた人に 寄り添う姿勢 を明示すること
  • 行政として 法的措置や通報の窓口を案内 すること

これらを組み合わせることで、県民に安心感を与えられます。

災害が起きた時に、ばら撒かれるデマや誹謗中傷に対しても、具体的に止めることをしないと、被災して苦しんでいるのに、さらにデマや誹謗中傷で苦しむ二重苦を与えることになります。

そのようなことが起こっても、具体的に止めることをしないことを宣言している斎藤知事に災害時の指揮官を任せることが出来るのでしょうか?