斎藤知事の公益通報者保護法違反
公益通報者保護法11条4項
内閣総理大臣は、第一項及び第二項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この条において単に「指針」という。)を定めるものとする。
法第2条に定める「処分等の権限を有する行政機関」や「その者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者」に対して公益通報をする者についても、同様に不利益な取扱いが防止される必要があるほか、範囲外共有や通報者の探索も防止される必要がある。
目次
- 1 告発文書全文
- 2 県政に対する重要な指摘を含むものもあった(第三者委員会 藤本委員長)
- 3 通報者探索行為
- 4 違法行為
- 5 斎藤知事の告発者捜し「違法」 パワハラも10項目認定 第三者委が報告書、兵庫県の対応を厳しく批判(2025年3月19日)
- 6 第三者委 県の公益通報者保護法違反と斎藤知事のパワハラ認定(2025年3月19日)
- 7 兵庫知事の指示は通報者探索 公益通報者保護法違反認定 第三者委(2025年3月19日)
- 8 斎藤知事は「精査したい」と繰り返す、来週の県議会や会見での発言に注目 第三者委員会の調査報告書でパワハラ10件認定、告発者探しは「違法」と断定(2025年3月20日)
- 9 告発者さがしは「適切」と正当化 斎藤知事がパワハラ「認定」については謝罪 兵庫県議会は26日に閉会(2025年3月26日)
- 10 政府や専門家の解釈を無視し「異端の説」を振りかざす斎藤知事。兵庫県の「違法状態」を国は放置していいのか(2025年4月3日)
- 11 消費者庁長官「自浄作用を働かせて」 公益通報めぐる斎藤知事発言で(2025年5月8日)
- 12 斎藤元彦兵庫県知事は消費者庁の技術的助言をフル無視していた?! 情報開示請求で関連文書の不存在が判明(2025年5月14日)
- 13 斎藤元彦兵庫県知事の法解釈問題。消費者庁がその見解を否定する法的通知を全国に発信し、さらに波紋広がる(2025年5月26日)
- 14 「犯罪なんですよ」斎藤知事 公益通報者保護法の改正案審議で議員らが怒りの訴え…大臣も「選挙で勝ったから免罪符という話ではない」(2025年6月4日)
- 15 公益通報者保護法違反を認めない斎藤知事の問題点
告発文書全文
ハンターが入手した渡瀬氏が作成したとされる告発文書――【齊藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)】
https://news-hunter.org/?p=21743(出典:ニュースサイトハンター)
県政に対する重要な指摘を含むものもあった(第三者委員会 藤本委員長)
本件文書には、先ほどらい申し上げた数多くの真実と真実相当性のある事項が含まれています。嘘八百として無視することの出来ないもの、むしろ県政に対する重要な指摘を含むものもあったと認められます。
異なる意見は、自分自身そして、組織に幅をもたらします。本件文書によるパワハラの指摘は、内部通報を通じて知事を含めた幹部職員を対象とする研修制度の実施などに繋がりました。贈与問題についての指摘は、ガイドラインの策定等、物品受領ルールの明確化として結実しました。
本件文書の作成と配布、そしてそれに続く内部公益通報は、県の組織体制の改善に繋がったと考えます。
通報者探索行為
保護法11条と指針は、通報者を公益通報に該当する事実であれば通報者を探索してはならないと定めています。しかし本件では、3月21日のメールチェックに始まり25日の西播磨県民局に臨んでの局長への尋問など、通報者探索行為が行われました。これは違法な行為です。
知事はこの点について「県内外の企業に対する名誉棄損的なことが書かれていた。また、職員についても実名を挙げて、これを非難する文言があった。これがさらに広がらないようにするためには、通報者を特定する必要があった。」このようにおっしゃっておられます。確かに指針はやむを得ない場合には通報者を探索をすることが出来るとしております。しかしこれは公益通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施出来ないなどの場合と言う限定が付いています。知事がおっしゃる事情は、やむを得ない場合に当たるとは思えません。むしろ、これ以上広がらないようにと言うことは逆にさらなる公益通報を防ぐと言うことであって、法の趣旨に反するご主張でないかと言う風に考えたのが我々の判断でございます。
https://www.youtube.com/live/yEEcogh7b00?si=94juoRFqrZX8SJTe&t=2801
違法行為
保護法11条と指針は、通報者を公益通報に該当する事実であれば通報者を探索してはならないと定めています。しかし本件では、3月21日のメールチェックに始まり25日の県民局に臨んでの局長への尋問など、通報者探索行為が行われました。これは違法な行為です。
公用パソコンの引き上げが行われました。これは違法な通報者探索の結果として行われたものですから、我々はこれを違法だと考えます。
斎藤知事の告発者捜し「違法」 パワハラも10項目認定 第三者委が報告書、兵庫県の対応を厳しく批判(2025年3月19日)
兵庫県の告発文書問題を調べた第三者調査委員会が19日、調査結果を公表した。斎藤元彦知事による職員へのパワハラがあったとし、告発内容を調べずに作成者捜しをしたことなどが公益通報者保護法に照らして「違法」と認定。作成・配布したことを理由に元西播磨県民局長を懲戒処分にしたのは「裁量権を逸脱し、明らかに違法で無効」と県の対応を厳しく批判した。
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202503/0018770194.shtml(出典:神戸新聞NEXT)
第三者委 県の公益通報者保護法違反と斎藤知事のパワハラ認定(2025年3月19日)
県の告発文書をめぐる対応については、告発が公益通報にあたるとした上で、通報者捜しを行ったことや、文書を作成した元局長の公用パソコンを回収したことは公益通報者保護法に違反すると認定しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250319/k10014754571000.html(出典:NHK)
兵庫知事の指示は通報者探索 公益通報者保護法違反認定 第三者委(2025年3月19日)
告発を理由に元県西播磨県民局長の男性を懲戒処分とした県の対応について、公益通報者保護法に明らかに違反していると結論付けた。告発に絡む処分は「無効」との見解も示した。
https://mainichi.jp/articles/20250319/k00/00m/010/209000c(出典:毎日新聞)
斎藤知事は「精査したい」と繰り返す、来週の県議会や会見での発言に注目 第三者委員会の調査報告書でパワハラ10件認定、告発者探しは「違法」と断定(2025年3月20日)
百条委員会は公益通報者保護法”違反の疑い”と表現していたのに対し、第三者委は”違反”と断定。こちらも踏み込んだ判断となりました。藤本委員長は19日の会見で、「通報者、告発者探しをしたことについては違法行為」と語りました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/61c168f280a510f984c1beb12041d4977d0955c9(出典:ABCニュース)
告発者さがしは「適切」と正当化 斎藤知事がパワハラ「認定」については謝罪 兵庫県議会は26日に閉会(2025年3月26日)
兵庫県 斎藤元彦 知事
「(告発文書は)誹謗中傷性の高い文書である認識に変わりはございません。初動の対応は、後から見れば、さまざまな課題は指摘されているとしても、当時の判断としてはやむを得ない適切な対応だったと考えております」
告発文書は「誹謗中傷性の高い文書」としたうえで、告発者さがしは適切な対応だったとの考えを改めて示し、続投の意向を明らかにしました。
斎藤知事の見解を受けて、県議会の一部の会派からは、今後、議会に対しても説明責任を果たすよう求める声が出ています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1814180?display=1(出典:TBS NEWS DIG)
政府や専門家の解釈を無視し「異端の説」を振りかざす斎藤知事。兵庫県の「違法状態」を国は放置していいのか(2025年4月3日)
斎藤知事の言動は、公益通報を理由として、公益通報者に嫌がらせをしているのも同然で、当の公益通報者がこの世にいないので公益通報者保護法を適用できないとはいえ、同法の趣旨に真っ向反している。斎藤知事は、公益通報者に対する「不当な対応」を県議会から指摘されて是正を求められたのに、その直後、その是正に関する質問に対し、あえて「不当な対応」で応えたということができ、これは県議会の真摯な提言を真っ向から踏みにじる対応だ。
https://slownews.com/n/n6cb6929d1a26(出典:SlowNews)
消費者庁長官「自浄作用を働かせて」 公益通報めぐる斎藤知事発言で(2025年5月8日)
兵庫県の内部告発文書問題に関する斎藤元彦知事の発言に対し、公益通報者保護法を所管する消費者庁が「公式見解と異なる」と指摘したことについて、同庁の新井ゆたか長官は8日の定例会見で「一般的な(法の)解釈基準として助言した」と説明し、「自浄作用を働かせていただきたい」と語った。
https://www.asahi.com/articles/AST5835VNT58OXIE034M.html(出典:朝日新聞)
斎藤元彦兵庫県知事は消費者庁の技術的助言をフル無視していた?! 情報開示請求で関連文書の不存在が判明(2025年5月14日)
斎藤知事の法解釈が「消費者庁による公式見解とは異なる」と指摘したうえで、文末には、
「本件にてご送付した内容の趣旨を、知事以下関係部署も含めて十分にご理解を頂き、適切な対応をとられるよう何卒よろしくお願い申し上げます」
と記されていた。
5月8日の記者会見で技術的助言について問われた斎藤知事は、
「消費者庁からそういった一般的な法解釈としての指摘を受けたことは大変重く受け止めなければいけない」
「国の担当者がメールで県に送ってきていただいたものですから、しっかり受け止めていくことが大事だと思いますね」
と、いつものマジックワードである「受け止める」を繰り出した。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9b4fc3bb2b8ace25bbd369f488216e4c9ceb31a6(出典:Yahoo!ニュース 赤澤竜也)
斎藤元彦兵庫県知事の法解釈問題。消費者庁がその見解を否定する法的通知を全国に発信し、さらに波紋広がる(2025年5月26日)
元県民局長の文書は3号通報だった。
そして公益通報者保護法は行政機関をふくむ事業者に対し、公益通報に適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置をとることを求めている。
その対象に3号通報をした者は含まれないという法律的な考え方もあると斎藤知事は語ったのだった。
費者庁の藤本武士政策立案総括審議官は、
「法定指針におきましては、3号通報に関する部分も含まれていると認識をしております」と述べた。斎藤知事の法解釈と国の見解の違いが浮上したのである。
斎藤知事はみずからの法解釈が誤っていたと認めるか、もしくは異なる解釈をする根拠を丁寧に説明するかのどちらかを選択せねばならない。
いずれにせよ「重く受け止める」だけではすまないところまで事態が立ち至ってしまっているのである。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/b0f727b0d4b45a7cbd58e02d8f60b12b217fbbce(出典:Yahoo!ニュース 赤澤竜也)
「犯罪なんですよ」斎藤知事 公益通報者保護法の改正案審議で議員らが怒りの訴え…大臣も「選挙で勝ったから免罪符という話ではない」(2025年6月4日)
松沢議員は引かずに、改正案で刑事罰が盛り込まれることに触れた上で、「犯罪なんですよ」と糾弾し、「法律違反なのに全く改善しようとしない兵庫県を国が刑事告発できる」と刑事告発の検討を訴えた。
続いて、共産党の大門実紀史議員が「法令違反しても選挙で勝った人には消費者庁は物は言えない、言いにくい。そう言ったが、聞き間違いか?」と、伊東大臣の松沢議員への回答を追及。
伊東大臣は、第三者委員会と百条委員会の長時間の議論の「結果に(斉藤知事が)もちろん従わないわけでありまして、我々としても地方自治という観点から一つ、彼がそこにすがっているというか、頼っているんだなぁという思いをしたところでありまして、“選挙で勝ったから免罪符だ“という話をしたわけではありませんので、ご理解ください」と、”本音”を交えつつ先程の発言を釈明した。
https://jisin.jp/domestic/2476385/#goog_rewarded(出典:女性自身)
公益通報者保護法違反を認めない斎藤知事の問題点
公務員・職員への萎縮効果
公益通報をしても守られない前例が残ると、内部で不正や違法行為を見つけても「報復されるかもしれない」「守ってもらえない」と考え、声を上げにくくなります。結果として行政内部の不祥事が隠され、県民の利益が損なわれやすくなります。
民間企業・団体への悪影響
公益通報者保護法は企業や団体も対象です。知事の違反が見逃されれば、「結局、強い立場にいる人は守られ、通報者は守られない」という誤ったメッセージが社会に広まり、企業内でも通報制度が形骸化する危険があります。パワハラや不正会計、労働法違反などが放置される可能性が高まります。
県民生活への直接的なリスク
・税金の不正使用や公共事業の不透明な契約が是正されず、県民の財産が損なわれる。
・医療・福祉・安全に関する不正(食品偽装、医療事故隠しなど)も通報が封じられれば住民の生命・健康に直結する被害が出る。
社会全体の遵法意識の低下
トップが法律違反を認めず放置すれば、「法律は守らなくてもよい」「権力があれば逃げられる」という風潮が強まります。結果として、弱い立場の人が泣き寝入りする社会が固定化し、民主主義や法治主義そのものの信頼が損なわれます。
住民の行政不信・政治不信の拡大
公益通報者保護法の理念は「住民を守る仕組み」です。それが形骸化すれば、「役所は住民の味方ではなく、自分たちの都合を守る組織だ」という意識が広がり、県政への信頼が失墜します。行政サービスや政策への協力も得にくくなり、結果的に地域社会の運営が困難になります。