刑事処分に向けた捜査は、最終段階の報道内容から読み取れること・読み取れないこと
兵庫県の定例記者会見での斎藤元彦知事(47)と記者たちの“バトル”は、かれこれ半年以上も続いている。だが、ここにきて動きがありそうだ。
「刑事処分に向けた捜査は、最終段階に入っていると聞いています。近々、神戸地方検察庁が刑事処分を行うことになると思われます」 そう話すのは在阪のテレビ局記者だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/44bc1cd0e86953b7eabfcfc6a7f4dd317b9ce002(出典:FRIDAY DIGITAL)
この記事から読み取れること
捜査は進展している段階である、という報道関係者や情報筋の見方
「最終段階に入っている」という表現は、これまでの捜査がある程度進んでおり、捜査機関が決定を迫られる段階に近づいている、という見方を報じている、という意味です。
斎藤知事が刑事告発されているのは、「背任容疑」「公職選挙法違反容疑」「公務員法違反(情報漏洩)容疑」の3件があり、刑事処分に向けた捜査は、最終段階になっているのが、どの容疑なのかも分かりません。
すなわち、警察・検察がまだ捜査を続けており、追加の事情聴取や証拠整理、起訴・不起訴判断の最終検討などをしている段階である、との認識が関係筋にあるというニュアンスです。
「刑事処分を行う」との予測
報道側(あるいは情報提供者)は、「近々、神戸地方検察庁が刑事処分を行うだろう」と予測している、ということを述べています。ここでいう「刑事処分」が起訴である可能性も考えられますし、不起訴という判断も含めた「処分決定」を意味している可能性があります。
確定した情報ではないという報道トーン
「聞いています」「思われます」といった語が使われており、報道側が確定情報として断定しているわけではなく、不確定性を含んだ見通し・予測の立て方であるということを示しています。
読み取れないこと
起訴されるか不起訴になるかは、この記述だけでは判断できない
「刑事処分を行う」という言い方は広義で、「起訴」「不起訴(起訴猶予や処分保留)」などを包括する言葉としても使われ得るため、この報道文言だけでは、「起訴か不起訴か」は判定できません。
処分の具体的な時期(いつか)は分からない
「近々」「最終段階」などの表現から「速やかに判断がなされるかもしれない」という推定はできますが、具体的に何月何日・時期がいつとは判断できません。
処分の内容(起訴、略式起訴、起訴猶予、処分保留など)までは分からない
したがって、「この記載では、起訴されるのか不起訴になるのかは分からない」という理解が正しいです。
起訴・不起訴判断に至るプロセスと注意点
刑事手続きの一般的な流れを踏まえると、次のようなステップがあります:
- 警察段階で捜査を行い、証拠収集、事情聴取、証拠関係の整理等
- 警察が捜査を終え、検察庁に送致(あるいは直接検察庁が捜査関与)
- 検察庁でさらに補充捜査をする可能性
- 検察庁が被疑者(今回であれば斎藤知事)を起訴するか否か判断
- 起訴:正式に公訴を提起
- 不起訴:起訴猶予、処分保留、証拠不十分、不起訴決定など
- 起訴された場合は裁判手続きへ進む
報道にある「最終段階」という表現は、検察がもうすぐ判断を下す段階、あるいは警察捜査の最終段階に近い段階、という意味合いと解釈できます。
ただし、捜査関係者や内部情報筋が「最終段階」と呼ぶ段階と、実際の手続き上の「最終段階」が一致するかどうかは保証されず、また、検察の判断は慎重であり、予期せぬ補充捜査や証拠の追加提出がなされることもあります。
起訴・処分のタイミングをめぐって考えられる可能性
「処分(起訴など)が行われるタイミング」が、関西万博の閉幕、兵庫県議会の閉会、などと連動させる見方は、政治的な駆け引きや注目度、世論の動向を考慮した予測としてしばしばなされます。ただし、必ずしも検察判断が政治日程にあわせて動くわけではありません。
以下、過去事例・慣行、理論的な視点に基づいた可能性を整理します。
関西万博閉幕・注目度との関係
大型イベントや国際的注目がある事業・行事の終了を待ってから、処分をタイミング合わせるという観点は、関係機関・報道機関・世論に配慮する意味で一定の合理性をもつかもしれません。「混乱をさけたい」「注目を避けたい」といった意図を背景とする可能性はあります。
ただし、検察は原則として独立性をもち、政治的意図に左右されないように配慮して動くという建前があります。したがって、あまり明確に「イベント終了後を待つ」といった外部時間軸に拘束されるとは限りません。
県議会閉会時期との関係
地方自治体や県議会との関係で、議会の終期において不確定要因を減らしたいという調整意識が働く可能性はあります。たとえば、議会が閉まってから起訴・告発発表を行うことで、議会運営への混乱を回避しやすいという配慮をする関係者がいるかもしれません。
ただし、検察の処分発表が議会運営に配慮されるかどうかはケースバイケースであり、必ず議会閉会とセットになるとは言えません。
過去の都道府県知事・地方首長の起訴時期などからの参考
地方首長(知事・市長など)が刑事起訴された例は非常に稀であり、事案ごとにタイミングが大きく異なります。ただし、次のような傾向が参考になります。
- 起訴される場合は、任期中に告発・捜査を受けてから起訴がなされる例もありますが、起訴後に辞任・解職を迫られるケースもあります。
- 一方、不起訴となる例も少なくはありません。捜査段階で証拠不十分と判断されれば不起訴となることがあります。
- また、報道発表時点では起訴すべきかどうかの判断が確定していない段階で、発表を先送りする例もあります。
ただし、具体的に「関西万博閉幕」「県議会閉会」「知事選または任期満了時期」に起訴する例が過去に特定できる形では見つかりません(少なくとも公開情報上は明確な前例は確認できません)。
結論・予測の整理
報道文言からは、捜査段階がかなり進んでおり、検察判断を近く下す可能性を情報筋が見ているという意味合いがある、と読むのが妥当です。
ただし、それが必ず起訴につながるとは限らず、不起訴(起訴猶予など)も排除できません。
処分発表(起訴or不起訴)をいつ行うかは、捜査・検察の判断、証拠整理の進捗、外部要因(政治・世論・注目度など)の影響などが複合的に絡むため、必ずしも関西万博閉幕時や議会閉会時と一致するとは言い切れません。ただし、そうした時期を意識したタイミング調整がなされる可能性はゼロではありません。
兵庫・斎藤知事捜査の裏側、全部書く! 元検察幹部が断言「お目こぼしはできない」(文春オンライン)
この報道もあるので、反斎藤の立場からは起訴されることを期待する気持ちにはなりますが、どのような判断になるかは検察にしか分かりません。
あまり期待せずに冷静に待ちましょう。